今こそ必要な科学的思考 『ロウソクの科学』 マイケル・ファラデー 著  竹内敬人 訳〈12月20日号より〉

 今日の社会では、科学の大切さを熟考させられます。コロナから国民の命と暮らしを守るためには、科学的視点と、政府のすばやい対応が求められます。また、菅首相による日本学術会議会員の任命拒否は、国民の自由と民主主義にかかわる重大問題ですが、科学者を否定する国には未来はありません。二酸化炭素などによる地球温暖化問題も重大です。

岩波文庫 720円+税 マイケル・ファラデー イギリスの物理学者・化学者。この著作は1861年に出版

 ふと頭に浮かんだのは、若い頃に愛読し、科学と真実を極める科学的な考え方の大切さを学んだファラデーの『ロウソクの科学』です。

 この著作は世界的に有名で、日本でも各社から和訳が出版されています。今回、岩波文庫の新訳(2010年版)を読み直してみました。訳注も丁寧になり、図版もさらに充実しています。

 科学者であるファラデーの「少年少女の聴衆のためのクリスマス講演」の講義録です。

 ロウソクはどうやって燃えるのか、燃えたロウソクはどこへ行ったのか、ロウソクを燃やすと水ができるのはなぜか、ロウソクの中の水素と酸素、炭素、二酸化炭素の性質はどうなっているのか、人間の呼吸と燃えるロウソクの共通点は何かなど、燃焼時に起こる様々な物理・化学現象を、実験内容を紹介しながら丁寧に説明しています。

 どんな不思議な現象にも科学的根拠があることがよくわかり、科学的思考が培われます。

 落語の「死神」という演目では、落語的比喩でロウソクが燃え尽きるのが人間の寿命とする場面がでてきます。落語とは違ってファラデーは、「ヒトと小ロウソクの生命とは、別に詩的な意味だけでなく、本当に関係しているのです」と科学的解明をしています。どう解明しているかは本書をお読み下さい。

 著作の最後に、ファラデーは若い人たちへ、「ロウソクのように世界を照らしてください」とメッセージを送っています。若い方にも年配の方にもぜひとも読んでほしい一冊です。(柏木新・話芸史研究家)

(東京民報2020年12月20日号より)

関連記事

最近の記事

  1.  都立学校の教職員15人が原告となり、卒業式や入学式などで「君が代」の起立斉唱をしなかったことに対…
  2.  日本共産党都議団は4日、PFAS(有機フッ素化合物)汚染の国連人権理事会の報告書に対する都のコメ…
  3. 防衛省の担当者に抗議文を手渡す(左から)宮本、山添の各氏と関口えり子あきる野市議=3日、千代田区 …
  4.  東京母親大会連絡会は4日、岸田文雄首相にあてて、「沖縄・少女暴行事件の隠ぺいに強く抗議し、日本政…
  5.  大型道路の新設・拡幅など、東京都建設局が用地買収を行う際、国が定める土地収用法に基づく「建設局土…

インスタグラム開設しました!

 

東京民報のインスタグラムを開設しました。
ぜひ、フォローをお願いします!

@tokyominpo

Instagram

#東京民報 12月10日号4面は「東京で楽しむ星の話」。今年の #ふたご座流星群 は、8年に一度の好条件といいます。
#横田基地 に所属する特殊作戦機CV22オスプレイが11月29日午後、鹿児島県の屋久島沖で墜落しました。#オスプレイ が死亡を伴う事故を起こしたのは、日本国内では初めて。住民団体からは「私たちの頭上を飛ぶなど、とんでもない」との声が上がっています。
老舗パチンコメーカーの株式会社西陣が、従業員が救済を申し立てた東京都労働委員会(#都労委)の審問期日の12月20日に依願退職に応じない者を解雇するとの通知を送付しました。労働組合は「寒空の中、放り出すのか」として不当解雇撤回の救済を申し立てました。
「汚染が #横田基地 から流出したことは明らかだ」―都議会公営企業会計決算委で、#斉藤まりこ 都議(#日本共産党)は、都の研究所の過去の調査などをもとに、横田基地が #PFAS の主要な汚染源だと明らかにし、都に立ち入り調査を求めました。【12月3日号掲載】
東京都教育委員会が #立川高校 の夜間定時制の生徒募集を2025年度に停止する方針を打ち出したことを受けて、「#立川高校定時制の廃校に反対する会」「立川高等学校芙蓉会」(定時制同窓会)などは11月24日、JR立川駅前(立川市)で、方針撤回を求める宣伝を21人が参加して行いました。
「(知事選を前に)税金を原資に、町会・自治会を使って知事の宣伝をしているのは明らかだ」―13日の決算特別委員会で、#日本共産党 の #原田あきら 都議は、#小池百合子 知事の顔写真と名前、メッセージを掲載した都の防災啓発チラシについて追及しました。
ページ上部へ戻る