東京都心を低空飛行する羽田空港の新飛行ルート見直しを求める都議会議員連盟の総会が9日、都議会内で開かれ、都議選を経て加盟議員が24人から36人に増えたことが報告されました。所属議員は共産党19人、立憲民主党15人、生活者ネットワーク、グリーンな東京の各1人。
総会では会長の西沢けいた都議(立憲)が「会派に関わりなく超党派で参加を呼びかけたい。一致点で力を合わせることは大きな力になる」とあいさつ。事務局長の白石たみお都議(共産)が今後の取り組みとして▽国土交通省や国会議員などへの要請行動▽専門家などを招いた勉強会▽住民団体などとの意見交換会▽都議会内などの連携―を提案し、承認されました。また、新たな役員として副会長に岩永やす代(ネット)、漢人あきこ(グリーン)の2氏、事務局次長に大山とも子氏(共産)を選任しました。
静かな地域戻して
その後、騒音被害や落下物の不安に苦しむ各地の住民らでつくる団体の代表らとオンラインで懇談。住民からは勢力を増した議員連盟に期待が寄せられました。
品川区で活動する男性は、騒音被害で17軒が引っ越し、二重窓の家も増えている地域の状況を紹介。「飛行機が飛ぶ時間帯は騒音で窓も開けられず、室内で会話もできない。恐怖でいっぱいだ」と語りました。同区の視覚障害者は「一人で外出する際はマンホールから聞こえる下水音、自動販売機のモーター音などを目標にして歩行するが、飛行機の騒音で聞こえなくなり、一歩も踏み出せなくなる」と、日常生活に深刻な影響があるとのべました。
練馬区の住民は「区民の平穏な生活を脅かすとして区議会に出した陳情は不採択になった。民間機に加え米軍ヘリが低空飛行している。静かな地域に戻してほしい」と訴え。大田区の住民は「議員連盟に希望を感じる」とのべ、学習会や現地視察などの共同行動を提案しました。
西沢会長は「一致結束して超党派でやっていきたい。意見交換を通して力を大きくしていきたい」、白石事務局長は「都議会で28%の大きな勢力となった。手を携えて見直しへ全力をあげる」とあいさつ。議連では、引き続き意見交換の場を設けることにしています。
(東京民報2021年9月19日号より)