岸田首相が17日、コロナ対策をめぐって、1月4日以来、1カ月半ぶりとなる記者会見を開きました。まん延防止等重点措置の期限を迎えた21道府県のうち17道府県で延長することなどを表明したものの、目立ったのは危機感のなさです▼会見では、「オミクロン株の感染拡大が落ち着いてきている」と強調。ワクチンの3回目接種の遅れについても「ペースが上がってきた」との認識を示しました▼足元の流行は、落ち着きにはほど遠い状況です。感染者数の増加がピークを超えたともいわれるものの、高止まりが続いています。重症者数が増える中で、1日あたりの死者数は、過去最多を記録しました。東京も21日、新規感染者数が1カ月ぶりに1万人を割った一方、死者数は30人と今年最多となっています▼危機感の薄い首相のもとで、来年度予算案のコロナ対策も、命や暮らしを守る上で、まったく不十分なものにとどまっています。この予算案に対し、国民民主党は、玉木代表が自ら予算委員会の質疑に立ち、賛成することを表明しました▼年度当初の予算案は、政権が国政に臨む立場が全面的に現れるものです。野党がこれに賛成するのは、極めて異例。「事実上の与党宣言」(小池晃日本共産党書記局長)の指摘は当然でしょう。
〈東京民報2022年2月27日号より〉