非人道的「生きていけない」入管行政の改善求め会見〈2022年3月20日号〉

社会の一員として日本に貢献したいと涙をこぼすロヒンギャ難民の男性(右)=8日、千代田区

 「日本の入管行政は非人道的な対応を改めるべき」との世論が大きくなる中で8日、NPO法人北関東医療相談会は記者会見を行いました。同会は外国人仮放免者(*)に対する生活実態調査を実施し、過酷な状況下で貧困にあえぐ状況を明らかにしました。

 現在、日本に暮らす外国籍者は約294万人で、その内ビザが切れたオーバーステイなどの非正規在留者も相当数いるとされています。一方、入国管理局に収容されている人は134人で、新型コロナ感染症のまん延を理由として仮放免者を増やす傾向にあり、昨年末で5781人です。仮放免者は就労、社会保険の加入、生活保護の利用はできず、衣食住の保障はありません。調査では困窮し家を追い出されホームレス化した例や、全額自費診療で病院から通常の3倍を請求されたり、手術代に800万円を請求された例などが明らかになりました。

 仮放免者の中には祖国で迫害を受け、日本で複数回にわたり難民申請をしている人も含まれます。しかし、日本の難民認定率は世界に例がないほど低く、生活支援は国が「民間団体を案内する」という異常な状況が続き国際社会からも非難を浴びています。

 会見では仏教国ミャンマーの軍事政権から銃口を向けられて迫害されているイスラム教徒のロヒンギャ難民の男性も参加。日本で複数回の難民申請が却下され、困窮する状況を語り、「働きたい。日本に貢献したい」と語りました。

 また、同会は新型コロナウイルス感染症の予防接種からも仮放免者が排除されている自治体があると告発。厚生労働省は事務連絡で公共料金や郵便で居所を確認できれば公費の接種対象としているのに、自治体によって運用の差が存在すると指摘しています。

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仮放免とは:入国管理法に基づき収容令書または退去強制令書により入管に収容されている者について、病気その他やむを得ない事情がある場合、一時的に収容を停止し、例外的に身柄の拘束を解くための措置。

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〈2022年3月20日号より〉

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