独法化の論拠総崩れ 予算特別委 大山都議の論戦に見る〈2022年4月3日号〉

予算特別委 大山都議の論戦に見る

 第1回定例会で最後の本格論戦の場となった予算特別委員会のしめくくり総括質疑(3月22日)。今定例会で最大の焦点となった都立・公社病院の独立行政法人化で、都があげた論拠は全て崩れました。日本共産党の大山とも子都議の論戦に見ました。

都立・公社病院を独法化する論拠は崩れたと追及する大山都議=3月22日、都議会

 小池知事が独法化の理由として、予算特別委員会の場であげた「コロナ対応のための独法化」。小池知事が独法の今年7月設立を決めた時期は、コロナ重症者が過去最多となった昨年8月で「なぜコロナ禍に独法化するのか」との疑問や批判がまき起こりました。大山都議は「(そのことに)まともに答えられなくなった後付けの、その場しのぎの説明をせざるを得なかったからだ」と断じました。

 大山都議が示したのは、都立小児総合医療センターや精神科の都立松沢病院のコロナ病床数は全国の小児病院、精神科病院の中で1位という事実。「都立病院は最も多くのコロナ病床を確保している。独法化する理由はどこにもない」と指摘しました。

 その上で「独法化すればよくなるなど、どうして言えるのか全く分からない」と疑問視する、都立松沢病院の前院長の斉藤名誉院長の話を紹介。実際、都が独法化の成功事例として高評価する大阪府は、人口100万人当たりコロナ死者数で突出しているのです。大山都議はこのことの認識を知事にただしましたが、答弁できませんでした。

行政的医療の安定もごまかし

 大山都議はまた、「行政的医療を安定的に提供するための独法化」という都の論拠についても崩しました。

 大山都議は都の独法評価委員会分科会で知事が任命する委員が、独法化後の病院運営について「再編統合は避けられない」と発言したことを重大視。知事の認識をただしましたが答弁せず、代わりに立った西山智之病院経営本部長は石原都政が行った小児病院の廃止を評価する答弁を行なったのです。大山都議は、小児病院が廃止された地域で小児救急医療が大きく後退した事実を突きつけました。

 政府が再編・統合の議論が特に必要な公立・公的病院リストにあげる都立神経病院。ここではナースコールを押せない神経難病患者のために、動かすことができる指先やまばたき、眼球の動きなどでナースコールができるよう一人一人に合わせて調整しています。

 大山都議はこのことを紹介した上で、「不採算医療を担い患者の人権と尊厳を守る神経病院は、採算性、効率性が重視される独法化とは最もなじまない」とし、独法化の撤回と都立直営での拡充を強く求めました。

 コロナ禍で都民の命の砦ともなる都立・公社病院の岐路となる独法化をめぐる論戦は、小池知事、関係局長からまともな説明はなく、独法化ありきの不誠実な対応だけが目立つ中、関連議案の可決・成立という都政に禍根を残す結果となりました。

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〈東京民報2022年4月3日号より〉

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