
樹齢100年を含む約1000本の樹木が伐採される神宮外苑地区(新宿区、渋谷区、港区)の再開発計画問題で、計画見直しを求めるネット署名(Change.org) を呼びかける経営コンサルタント会社社長のロッシェル・カップさん(中央区在住)は2日、累計8万1422人分の署名と要望書を小池百合子知事宛てに提出しました。2月から呼びかけたもので、3月に5万人分を提出しており、その後も賛同者が広がっています。
カップ氏は記者会見で、小池知事が三井不動産など事業を担う4者に対し、都民の共感と参画を得るよう要請したことについて「呼びかけるタイミングは遅すぎた。知事自身が承認し、ここまで固められた計画にどのような参画ができるのか」と指摘。再開発計画が強行されれば「神宮外苑を破壊した都知事」として都民の記憶に残るとして、一旦立ち止まって計画をゼロベースで見直し、「知事の呼びかけで事業者、都市計画や環境問題の専門家、都民を集めてオープンな協議の場を作っていただきたい」と訴えました。
また、一般市民が利用できる軟式野球場やゴルフ練習場、フットサルコートなど公益性が高いスポーツ施設が廃止されるのは、「誰もが親しめるスポーツクラスター」の目標と矛盾すると批判。それらの代替施設の提案を含めた再考や、改築が計画される神宮球場とラグビー場の改修工事の検討、樹木やイチョウ並木を守るための慎重な調査などを求めました。
カップ氏は同日、計画事業者の明治神宮、日本スポーツ振興センター、三井不動産、伊藤忠商事にも要望書を提出しました。
〈東京民報2022年6月12日号より〉