▶寄稿◀核廃絶へ連帯を次世代に 原水爆禁止 3年ぶり現地で世界大会〈2022年8月21日号〉

学生ツアー東京代表 荒木恵美子さん

荒木恵美子さん

 新型コロナの影響で、広島、長崎での現地開催は3年ぶりとなる原水爆禁止世界大会が、4日から9日まで開かれました。5月に結成された東京学生平和ゼミナールのメンバーで、学生ツアー東京代表の一員として広島を訪れた荒木恵美子さん(20)に寄稿してもらいました。

 広島で行われた原水爆禁止世界大会に、学生ツアー東京代表の一員として参加させていただいた。様々なプログロムでの体験を通して、今、私の心の中にあるのは、やはりなんとしても世界から核兵器を無くしていかなくてはならない、という強い思いだ。

 国際会議初日に、当時7歳で広島で被爆した児玉三智子さんのお話を伺った。生き延びることはできたが、その後の人生をどれほど狂わされたかが伝わり、このお話は、この後の全てのプログラムを通して、広島で起きた原爆投下について考える入り口となった。また、ウクライナの首都キーウからオンラインで平和運動家の方から現状を伺い、「殺人を拒否する権利を守り、平和的方法で戦争に抵抗する」という強い意思に深く共感した。フィンランドに拠点を置くロシア人活動家の方は、情報操作やプロパガンダに侵されたロシアの現状や、命がけで反戦を訴える市民の実態を生々しく語ってくださった。

 2日目に訪れた原爆資料館では、灰色に染まった広島の映像や、生々しい写真や絵に言葉を失った。これまでもメディアを通して何度か見たことはあったが、実際に広島という地で直視するインパクトは強く、現地で学ぶことの大切さを知った。午後は全国の若者との集いに参加し、核廃絶への思いを熱く語り合った。

 3日目の「ヒロシマデー集会」では、黒い雨訴訟のドキュメンタリーを作成した大学生のお話を聞いた。就職や結婚といった人生においての岐路で被爆者が多くの差別を受け、被爆者であることを家族にすら打ち明けられずにいる方が多く存在することに驚いた。原爆直後の放射性物質を強く含んだ「黒い雨」に打たれた人々も、被爆者であり救済対象者であると認めた「黒い雨訴訟」の勝訴を掴むまでの長い闘いと、これからの課題も聞くことができた。

 また、マーシャル諸島沖での水爆実験で、乗組員が大量の死の灰を浴びた「第五福竜丸事件」をきっかけに、日本国内で反核の思いが一気に広がったことで、その翌年に第一回原水爆禁止世界大会が広島で開催されたという経緯を知った。原爆投下から約10年間、多くの被爆者が放置されていたという事実を闇に葬っていたアメリカ、そしてそのアメリカに立ち向かわなかった当時の日本政府の姿勢に強い怒りを新たにした。

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