人体への有害性が指摘されるPFAS(ピーファス=有機フッ素化合物)汚染をめぐり、2021年度に環境省が行った調査に、アメリカ環境保護庁(EPA)の新たな規制値案を当てはめると、都内で地下水から基準を超える値が出たのは、15区20市1町に及ぶことが分かりました(表)。

環境省が毎年度、公表する「地下水質測定結果」で、21年度にPFASのうち代表的な物質であるPFOS(ピーフォス)とPFOA(ピーフォア)の濃度を調べたもの。全国1133地点のうち81地点で、国の暫定目標値(両物質合計で50ナノグラム/リットル)を超えていました。
アメリカのEPAは、飲料水の基準を抜本的に厳しくするため、3月にPFOS、PFOAそれぞれ4ナノグラム/リットル以下という新たな規制値案を公表しました。
東京民報は環境省調査のうち各自治体でPFOSかPFOAが最も高かった値を、①EPAの基準未満②2倍未満③10倍未満④10倍以上―に色分けしました(地図)。

汚染源として、メッキや半導体の工場のほか、PFASを含む泡消火剤を大量に使う横田基地(福生市など)が指摘されています。東京の地下水は大きくは西から東に流れており、それに沿って汚染が広がった可能性があります。多摩地域では、水道水用の井戸からも高濃度の汚染が見つかり、住民が自主的な血液検査に取り組んでいます。
日本共産党は、統一地方選の各選挙区で、国・都による汚染源を明らかにする調査と抜本的な対策強化を訴えています。
東京民報2023年4月23日号より