
3000本もの樹木を伐採して進める神宮外苑の再開発(新宿、港区、約28万平方メートル)で、都民から強い要望が出ていた住民説明会について、三井不動産などの事業者は17~19日の3日間、開催すると公表しました。しかし案内を読んだ都民からは、「閉鎖的で多くの都民、専門家が求めた形とは大きく異なる」と、抗議の声をあげ、「誰もが参加できる開かれた説明会にしてほしい」と訴えています。
事業者が説明会の参加条件としたのは、建設予定の超高層ビルの高さ190メートルの2倍に当たる、半径380メートルの範囲内の居住者か就労者に限定し、報道関係者の取材も拒否しています。
この説明会を前に、神宮外苑の森を守る会は12日、事業者の一つ、明治神宮の鳥居前(渋谷区)で抗議のスタンディング「令和のTOKYOカチカチ山」を行い、「神宮外苑の樹木を切らないで」と訴えました。
参加者はビラを配りながら原宿駅周辺を練り歩き、最後は明治神宮の鳥居前で集合。「最後まであきらめずに、樹木を守りましょう」と呼びかけました。
同会の楠本淳子さんは、参加者を限定した住民説明会について、「事業者にとって知られては困ること、後ろめたいことがあるからではないか。不正にまみれた計画をこのまま進めることは許されません。民主主議が死んでしまう。この説明会で終わりにしてはいけない」と憤りました。
また事業を認可した小池百合子知事に対して、「(4つの反対署名を合計すれば)30万人以上が計画に反対している。事業者の意向に寄り添うのではなく、今からでも都民と向き合ってほしい」と訴えました。
東京民報2023年7月23日号より