
「新宿御苑への放射能汚染土持ち込みに反対する会」は8月27日、環境省が主催する「福島、その先の環境へ」と題するイベント開催に抗議するスタンディングを新宿御苑の新宿門前(新宿区)で行いました。
環境省は東京電力福島第1原発事故で発生した汚染土を新宿御苑(新宿区内藤町)の花壇で「再生利用」する実証事業を計画しています。この日行われたイベントは、福島県内で発生した除去土壌などについて、安全をアピールするのが狙い。福島県産の特産品が当たるクイズやラリーイベントが26、27日の2日間にわたって行われました。
新宿御苑を訪れた家族連れやカップルが「新宿御苑への放射能汚染土の持ち込み反対」と書かれた横断幕に注目。多くの人がメンバーが配るビラを受け取っていました。中でも外国人観光客の関心は高く、足を止めて英語で説明を聞いて「ワオー」と驚く人や、「世界中が心配している。頑張ってください」と激励する人も相次ぎました。
環境省は福島県内の「中間貯蔵施設」に集めた汚染土をリサイクルして1㎏当たり8000ベクレルまでの汚染土を公共工事や農地に使う方針です。
会のメンバーらがマイクを握り「環境省は復興の先にというが、本当に福島の人たちや国民のことを考えているとは思えない。放射能汚染物質は一カ所に集めて管理するのが原則。公園や土木工事に汚染土が使われれば、全国に汚染物質が拡散してしまう。よりよい環境の中で暮らしていくために、ぜひ関心を持って考えてほしい」と呼びかけました。
また、政府が福島原発事故で出た汚染水を地元住民や漁協との約束を破って海洋放出を決めたことを厳しく批判。「安全な水、豊かな土のある安心して暮らせる社会を子どもたちに手渡すことが、私たち大人の責任です。放射能汚染土を拡散してはいけない」と訴えました。
東京民報2023年9月3日号より