英スピテスト 問題解決ないまま実施 都民、都議が集会〈2023年12月3日号〉

英スピテストをめぐり開かれた議連総会と都民集会=11月26日、新宿区

 公平・公正性に問題があるとして教育関係の専門家や保護者らが中止を求めている東京都教育委員会による英語スピーキングテスト(ESAT-J)が、公立中学3年生を対象に11月26日、都内227カ所の都立学校や民間施設などで行われ、約7万人が受験しました。同テスト実施を前に、都立高校入試に活用しないよう求める都民集会が11月22日、都議会内で開かれました。オンラインを含め80人が参加しました。

 同テストは都教委がベネッセに委託して実施。同事業者が今年限りで撤退し、来年からはイギリスの公的機関に代わります。

 集会に先立ち同テストの入試活用を中止するための都議会議員連盟が総会を開催。風間ゆたか会長(立憲民主党)が「中止するまで力を合わせて取り組んでいく」とあいさつ。とや英津子事務局長(日本共産党)が、昨年10月の発足以降の活動を報告。「これまでやってきたことを共有し、明日からの活動につなげたい」と決意を語りました。

 集会では神奈川大学の久保野雅史教授が講演し、スピーキングテストの様々な問題点を指摘。「部分的改善では解決できないテストと入試への利用がはらむ深刻な欠陥を検証すべきだ」と強調しました。

 中学校の英語教員は、テスト結果が都立高校で活用されていない実態を告発。「スピーキングテストに使う35億円があれば、どれだけのネイティブ(英語を言語とする人)の先生を授業に呼べることか。予算は不足する英語教員の改善などに使ってほしい」と訴えました。受験生の保護者からは「このテストがあるので希望していた都立高を受験するのをあきらめた」との声がありました。

 入試改革を考える会の大内裕和代表(武蔵大学教授)は、防音用のイヤーマフを着けても音漏れがあったと多くの受験生が証言したのに、都教委の対策は着用の仕方のチラシを配っただけで、検証もしていないと告発。自らが原告となって同テストの公平性・公正性などを問う住民訴訟について報告し、支援を呼びかけました。

 集会を主催した同会や都議会議連などは、昨年と同様、試験後に受験生や保護者にアンケート調査をするとし、都教委にも検証を求めていくことにしています。

東京民報2023年12月3日号より

関連記事

最近の記事

  1. ◆ ただこれだけ!!びっくりのおいしさ コーンクリームスープ 〈…
  2.  東京の北西部、東村山市にある国立療養所多磨全ぜんしょうえん生園に複数の宗教施設が集まる「宗教エリ…
  3.  新緑が鮮やかに色づき始め、生命の息吹がみなぎる季節になりました。港区立みなと科学館(虎ノ門3)で…
  4. インスタライブで語り合うeriさん(左)と田村さん=4月18日  日本共産党の田村智子委員長…
  5.  めぐろ被災者を支援する会は6月30日まで、控訴費用などを求めるクラウドファンディングを行っていま…

インスタグラム開設しました!

 

東京民報のインスタグラムを開設しました。
ぜひ、フォローをお願いします!

@tokyominpo

Instagram

#東京民報 12月10日号4面は「東京で楽しむ星の話」。今年の #ふたご座流星群 は、8年に一度の好条件といいます。
#横田基地 に所属する特殊作戦機CV22オスプレイが11月29日午後、鹿児島県の屋久島沖で墜落しました。#オスプレイ が死亡を伴う事故を起こしたのは、日本国内では初めて。住民団体からは「私たちの頭上を飛ぶなど、とんでもない」との声が上がっています。
老舗パチンコメーカーの株式会社西陣が、従業員が救済を申し立てた東京都労働委員会(#都労委)の審問期日の12月20日に依願退職に応じない者を解雇するとの通知を送付しました。労働組合は「寒空の中、放り出すのか」として不当解雇撤回の救済を申し立てました。
「汚染が #横田基地 から流出したことは明らかだ」―都議会公営企業会計決算委で、#斉藤まりこ 都議(#日本共産党)は、都の研究所の過去の調査などをもとに、横田基地が #PFAS の主要な汚染源だと明らかにし、都に立ち入り調査を求めました。【12月3日号掲載】
東京都教育委員会が #立川高校 の夜間定時制の生徒募集を2025年度に停止する方針を打ち出したことを受けて、「#立川高校定時制の廃校に反対する会」「立川高等学校芙蓉会」(定時制同窓会)などは11月24日、JR立川駅前(立川市)で、方針撤回を求める宣伝を21人が参加して行いました。
「(知事選を前に)税金を原資に、町会・自治会を使って知事の宣伝をしているのは明らかだ」―13日の決算特別委員会で、#日本共産党 の #原田あきら 都議は、#小池百合子 知事の顔写真と名前、メッセージを掲載した都の防災啓発チラシについて追及しました。
ページ上部へ戻る