経済界ファーストの転換を 共産党都議団が予算要望〈2023年12月31日・2024年1月7日合併号〉

 東京都の2024年度予算編成に対する都議会各派の予算要望が12月21日行われました。日本共産党都議団は、都民から寄せられた切実な声をもとに作成した約2386項目に及ぶ要望書(提案要求)を、小池百合子知事に手渡しました。

 和泉なおみ幹事長はあいさつで「都税収入が過去最高水準を更新しているもとで、来年度予算においては都民の暮らしや営業を守り、東京の経済を立て直すために思い切って使っていくことが必要だ」と強調しました。

小池知事(中央)に予算要望する共産党都議団=12月21 日、都庁

 提案要求では「物価高騰により多くの都民の暮らしや営業は長期にわたって厳しさが増している」一方、大企業の内部留保は528兆円を超え、大企業が集中する東京都の税収は、バブル期を超え史上最高水準が続いていると指摘。「巨大な財政力は、大型開発優先の経済界ファーストではなく、都民の暮らしと営業を守り、地域経済を立て直すことにこそ使うべきであり、それが地方自治の役割」だとしています。

 その上で①子どもの最善の利益を最優先にする東京に②暮らしと福祉を守り、東京の経済を立て直す③気候危機打開・ジェンダー平等の実現④いのちを守り、平和をつくる⑤経済界ファーストからの転換-の5つの視点で72項目に要望書のポイントをまとめて、白石都議が説明。

 子どもの最善の利益最優先では、子どもの交通費・通学費が大きな負担だとして、公共交通の子ども料金の対象年齢を18歳に引き上げ、都営交通の子ども料金を一律50円に引き下げることを要求。学校給食費の都の全額補助制度の創設、高校、大学、専門学校の授業料を所得制限なく無償化する仕組み作りなど、子育て・教育にかかる負担軽減策を提案。「子ども・若者の豊かな成長の保障」の中心点は、大人の都合ではなく、子ども・若者の意見を反映する仕組みをつくることだとして、「東京都こども基本条例」を生かし、子ども・若者が自ら議論し、政策提案するなど都政に直接参加する仕組みを要望しました。

 東京の経済立て直しでは、中小企業への家賃、リース代などの固定費補助、上下水道の基本料金の減免、支援が必要な全ての人に現金給付を含めた早急な支援を求めました。

 福手ゆう子都議は補聴器購入費補助の拡充、尾崎あや子都議はPFAS(有機フッ素化合物)汚染対策、清水とし子都議は多摩地域の保健所増設について、それぞれ要望しました。

 小池知事は「貴重な意見をうかがった。要望については知事査定の中で判断していく」と答えました。予算案は、来年2月開会予定の第1回定例会で審議されます。

東京民報2023年12月31日・2024年1月7日合併号より

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