JAL争議 安全語るため早期解決を 都労委の審問受け宣伝〈2024年1月14日号〉
- 2024/1/13
- 労働・市民
JAL争議をたたかうJAL被解雇者労働組合(JHU)が、東京都労働委員会(都労委)に不当労働行為救済の申し立てを行っている問題で12月26日、会社側の証人審問が行われ、JALの人材本部人材戦略部の飯塚久徳部長とマネージャー1人が対応しました。

JHUをめぐっては①団体交渉拒否②誠実交渉義務違反③組合間差別-で調査が行われています。組合間差別ではJALがJHUに対し、(先に争議が解決した)乗員組合とキャビンクルーユニオンの両労組より2週間も遅く解決策の提案を行った中立義務保持違反が問題とされています。
審問では2022年6月23日のJHUとの事務折衝で乗員組合とキャビンクルーユニオンとの業務委託による解決策が示されていない一方で、同月24日付の乗員組合のニュースで業務委託の詳細が掲載されていることへの質疑も行われました。
飯塚氏は、「JHUとの折衝の前に解決方法を文書で提案をした記憶がない」と回答し、加藤桂子弁護士から「口頭の聞き取りだけで組合が討議してニュースに書いたということか」と聞かれ口ごもる様子が見て取れました。
併せて同氏は加藤弁護士の質疑に対し、聞かれていないことを長々と話し、たしなめられた際には「私の話を聞いてください」と声を荒げる場面もありました。終了後、傍聴者からは「男性弁護士と女性弁護士での態度の違いがあからさまで女性蔑視のようだ」「誠実とは思えない」などの声が上がりました。
その後、JHUの組合員は支援者とともに有楽町マリオン前で宣伝を行いました。被解雇者のパイロットは「安全に対して声を上げる組合員を解雇した。当時、『内部留保を1兆円貯めてから安全を言え』と言われた。これが7月(23日)の重大インシデント(重大事故の一歩手前と国交省が認定)や、(12月22日の)不適切整備での業務改善命令が相次いでいる原因だ。大事故を起こす前に、安心して安全について語れるように争議の解決が重要だ」と早期解決への支援と理解を訴えました。
JAL争議とは…JALの経営破たんを受けた後の希望退職者が予定数を上回っているにもかかわらず、2010年大晦日、パイロット81人、客室乗務員84人を年齢や病歴で一律に解雇したことに端を発しています。解雇後、JALの稲盛和夫会長(当時)は記者会見の中で「あの解雇は必要なかった」と述べています。
東京民報2024年1月14日号より