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被害者を責めない社会に 性暴力被害 実態調査をもとに集会〈12月6日号より〉
- 2020/12/2
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性被害に遭っても生きる希望を持てる社会にと活動する「一般社団法人Spring」は11月20日、衆院議員会館で「5899件の性被害から見えた実態~被害当事者が望む未来とは~」を開催しました。インターネットを通じて集めたアンケートの集計結果をもとに報告がありました。
Springの代表理事で性暴力被害者支援看護師でもある山本潤氏が最初にあいさつ。アンケートには3週間で5899件の回答があったことを重く受け止めるとし、「性暴力の被害に遭っても非難されない、“傷物扱い”やバッシングを受けない世の中をめざす」と訴えました。

アンケートによると被害に遭った年齢が12歳未満だと約8割が「自分に何があったかわからない」状態でした。被害が認識できるまで平均7・46年かかり、子どもの被害では11年以上かかったケースもありました。また、理解できたときに苦しむことが少なくないと明らかにされました。
8割以上が相談できず
被害を相談員や支援機関に相談できていないケースが88・3%、警察に相談していないケースが83・8%に上っていました。他に被害時の記憶が欠損していたり、恐怖で抵抗できないという実態もありました。
また社会に望むことでは▽被害者を責めない▽セカンドレイプをなくす▽加害者が悪いと認識される―が10位以内に入っていました。そのほか、「性教育」の内容充実に28%の回答が集まりました。さらに「性犯罪・性暴力の厳罰化」など法改正への言及も目立っています。
オンラインで参加していた車いすを使用する女性から「身障者トイレの男女共用は怖い。男性トイレの横なども多い。安全なトイレが欲しい」との声が寄せられました。
集会は「性暴力被害者だけでなく、法律・教育・医療・福祉などの専門家、社会すべての人々が、性暴力を社会の問題であると認識し、社会全体で性暴力被害・加害のない社会の構築に取り組むことが求められる」とまとめられました。
集会後、記者会見が行われ、橋本聖子内閣府特命担当大臣(男女共同参画)にアンケートに基づく要望書を提出したことが報告されました。要望書には、刑法改正で①不同意性交等罪の創設②公訴時効の撤廃③地位関係性に関する規定の創設④性行同意年齢(現在13歳)の引き上げ―のほか、内閣府や関係官庁への要望が盛り込まれています。
(東京民報2020年12月6日号より)