〈一分11月21日号〉ニューヨークの国連本部の議場に突然、入り込んできた恐竜。外交官たちが悲鳴を上げるなか、悠然と演説台に上がり、…
- 2021/11/15
- コラム・オピニオン
ニューヨークの国連本部の議場に突然、入り込んできた恐竜。外交官たちが悲鳴を上げるなか、悠然と演説台に上がり、「みんなよく聞いて」、「人間は自らを絶滅させるのか?」と問いかけます▼国連開発計画が、気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)の開催に合わせて公開したCG動画です。会期を1日延長して交渉を続けていたCOP26が、13日に閉幕しました▼会議の成果文書は、世界の平均気温の上昇を「産業革命前より1・5度に抑える努力」を追求するとの目標を明記。各国に排出削減目標の検証と強化を求めています。対策強化への一歩となる一方で、当初の議長案では「段階的に廃止」となっていた石炭火力について「段階的な削減」に変更されるなど、「妥協」の末にまとまった合意です▼日本は同会議で、石炭火力や実現性の見通しが立っていない新技術に固執する姿勢をあらわにしました。1・5度目標に合わせた取り組みをどう実現するか、政府に厳しく問われます▼今年も各地で「災害級」と言われる異常気象が続きました。国連開発計画の動画で恐竜は、それでも人間が化石燃料に巨額の補助を続けていることを指摘し、演説をこう結びます。「もう言い訳をやめて、変化を起こす時だ」
(東京民報2021年11月21日号より)