【アーカイブ】まともな職場へ声上げて 墨東病院パワハラ 都を相手に「勝利和解」〈2021年4月11日号より〉

 都立墨東病院薬剤科に勤務していた20代の女性薬剤師が、上司のパワーハラスメントと無給の超過勤務を強要されたとして、東京都に残業代や慰謝料の支払いなどを求めていた裁判に関して3月18日、東京地裁で勝利和解が成立しました。2019年9月3日の提訴から約1年半、都が11項目もの具体的な職場改善措置の約束を定め、和解金80万円の支払いを認める画期的な和解が実現しました。

和解のよろこびを語る笹山尚人弁護士=2日、新宿区

 原告が墨東病院に入職したのは、大学卒業後の17年4月。直後から「1年目職員の有給休暇取得否認」「平日は21時、22時ごろまで『自己研鑽』としてサービス残業を強いられる」「超過勤務申請の拒否」「夜勤の練習と称して当直勤務を命じられるも、残業代はなし」「他職員の前での叱責」など、理不尽な労働環境のなかで駒のような扱いを受け続けました。新入職員は上司に従わざるを得ず、原告は「患者さんやご家族に寄り添いたいという、自分が思い描いていた薬剤師の理想とあまりにかけ離れていた」と当時を回顧します。

 業務は増えるばかりで疲れ果て、心も身体も鉛のように重くなった原告は、入職から1カ月ほどで体調を崩し、うつ病を発症。病と闘いながらも仕事を続けました。「食事がとれなくなり、帰宅後ずっと泣いていた。両親と一緒に住んでいたので、出勤中に私が電車に飛び込むのではないかと心配して、駅までついてくるなどサポートしてくれた」と語ります。

 2年目は夜勤の体制が変わり激務になるも、手当金は減少。同僚からも「生活が苦しい」と声が上がりました。

 心身ともに疲れ果て、19年3月末に退職。「自分のような犠牲者をこれ以上増やしたくない。都立病院の労働環境の実態を広く知ってほしい」との思いから、訴訟の提起を決意しました。

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