【アーカイブ】食で知るふるさと東京 江戸東京野菜 地産地消の学びに活用〈12月26日号より〉

「東京23区で野菜が採れるの?」―驚きの声が聞こえてきそうですが、東京では「江戸東京野菜」と呼ばれる地場野菜が注目を集めています。23区の学校などでは授業で栽培し、給食などで食べる地産地消と食育の観点も含めた取り組みが展開されています。江戸の町の発展とともに普及し台所を支えてきた江戸東京野菜は、急速な都市化のために農地とともに姿を消したと思われていましたが、今も大地の恵みと歴史を伝えています。

種から育てる学習

 高層ビルのイメージが強い新宿区にも江戸東京野菜があります。早稲田みょうがは早稲田大学内で自生していたことが発見されました。また、新宿区原産の江戸東京野菜のひとつである内藤カボチャは区立西新宿小学校での学びで生かされています。

 同校では内藤カボチャを、栽培を含めて総合的な学習に位置付けています。5年生が育てているほか、姉妹都市の長野県伊那市に種子を届けて交流。収穫した内藤カボチャは給食や区の施設で活用されます。給食のメニューは児童のアンケートで決定。9日に全校児童と教職員がパウンドケーキにして味わいました。都心で郷土を学ぶ工夫があります。

農産高校が栽培

 荒川区原産の三河島菜は一時、絶滅したと思われていました。しかし、宮城県仙台市で芭蕉菜の名で現存することが確認され、東京に里帰りを果たしました。

区役所食堂で提供された三河島菜入りグリルハンバーグ

 荒川区に農業耕作地がないために、都立農産高校(葛飾区)が、授業やクラブ活動などで栽培を担っています。収穫された三河島菜は、期間限定で荒川区役所内の食堂で特別メニューとして提供されたり、区の催事などで販売され好評です。

 食堂でのメニュー作成は試食から農産高校の生徒も参加。食べやすさなども十分に考慮されています。三河島菜のカレーはテイクアウトも含めて大人気。グリルハンバーグは付け合わせだけでなく、ハンバーグの種に練りこまれている三河島菜がシャキシャキとした歯ごたえを感じさせて、美味しいと定評。メニューは売り切れてしまうこともしばしばです。

関連記事

最近の記事

  1. タウンミーティングで=4月13日  吉良よし子さん、坂井和歌子さんとともに4月13日、国会報…
  2.  志位「自衛隊は事実上、米軍の指揮統制のもとに置かれることは明らかだ」。岸田「主権国家として主体的…
  3.  5月5日は「子どもの日」です。今年2024年は、子どもを権利の主体として位置付けた「子どもの権利…
  4.  北区のJR赤羽駅東口周辺(赤羽一丁目)で進められている市街地再開発事業(ことば)をめぐり、学生を…
  5.  来年は広島と長崎に原子爆弾が投下され、80年を迎えます。壮絶な被爆の実相を語り継ぎ、小学校や中学…

インスタグラム開設しました!

 

東京民報のインスタグラムを開設しました。
ぜひ、フォローをお願いします!

@tokyominpo

Instagram

#東京民報 12月10日号4面は「東京で楽しむ星の話」。今年の #ふたご座流星群 は、8年に一度の好条件といいます。
#横田基地 に所属する特殊作戦機CV22オスプレイが11月29日午後、鹿児島県の屋久島沖で墜落しました。#オスプレイ が死亡を伴う事故を起こしたのは、日本国内では初めて。住民団体からは「私たちの頭上を飛ぶなど、とんでもない」との声が上がっています。
老舗パチンコメーカーの株式会社西陣が、従業員が救済を申し立てた東京都労働委員会(#都労委)の審問期日の12月20日に依願退職に応じない者を解雇するとの通知を送付しました。労働組合は「寒空の中、放り出すのか」として不当解雇撤回の救済を申し立てました。
「汚染が #横田基地 から流出したことは明らかだ」―都議会公営企業会計決算委で、#斉藤まりこ 都議(#日本共産党)は、都の研究所の過去の調査などをもとに、横田基地が #PFAS の主要な汚染源だと明らかにし、都に立ち入り調査を求めました。【12月3日号掲載】
東京都教育委員会が #立川高校 の夜間定時制の生徒募集を2025年度に停止する方針を打ち出したことを受けて、「#立川高校定時制の廃校に反対する会」「立川高等学校芙蓉会」(定時制同窓会)などは11月24日、JR立川駅前(立川市)で、方針撤回を求める宣伝を21人が参加して行いました。
「(知事選を前に)税金を原資に、町会・自治会を使って知事の宣伝をしているのは明らかだ」―13日の決算特別委員会で、#日本共産党 の #原田あきら 都議は、#小池百合子 知事の顔写真と名前、メッセージを掲載した都の防災啓発チラシについて追及しました。
ページ上部へ戻る