平和*憲法対談 平ゼミでロシアに抗議・田原ちひろさん&日本共産党参院議員・山添拓さん〈2022年5月1日・8日合併号〉

 ロシアのウクライナ侵略をめぐって、国会では9条改憲による軍拡論議が噴出するなど、夏の参院選は「戦争か平和か」を問う歴史的な選挙となります。憲法9条とウクライナ情勢、若い世代に広がる運動などをテーマに、東京高校生平和ゼミナール(平ゼミ)のメンバーとして3月にロシア大使館に抗議した田原ちひろさん(現在・大学生)と、山添拓参院議員(日本共産党、東京選挙区)が語り合いました。

微力でも社会変える主権者(田原)

田原ちひろさん

―田原さんたちのロシア大使館への抗議はマスコミでも注目されました。

田原 ロシアがウクライナに侵攻して、核兵器を使うとまで言い出す。今まで、平ゼミでも被爆者の方たちの話などを何度も聞いてきたので、核兵器で脅すことは絶対に許せないという思いで抗議に行って来ました。

山添 なぜ大使館に行こうと思ったんですか。

田原 本当は、ロシアの国に直接、行きたいくらいなんです(笑)。

山添 すごいですね。

田原 でも、それもできないので。紙とインターネット、両方で署名も呼びかけて、1週間で5000人分を集めていただきました。

正義求める声生かす政治を(山添)

山添拓参院議員

山添 ウクライナにも悪いところがあるといった一歩引いた論調も一部にあるなかで、国連憲章を踏みにじって、侵略戦争を仕掛けたロシア側に、直接、抗議する。すごく大胆で、かつ、大事な姿勢ですよね。

 ロシアは当初、勝手に独立を認めた東部2州との集団的自衛権を行使するなどの理由をつけていましたが、もはやそれすらほとんど言えなくなっています。国連憲章上の大義、武力行使を正当化する理屈をまったく示せない。そのことにロシアの孤立ぶりが表れています。

 世界の人々が、あらゆる場面で、国際人道法違反と戦争犯罪を許さないという声をあげることが大切で、若い人たちから、戦争を認めないという声が上がっているのは、大きな希望です。

世界と社会の変化の表れが

―抗議に行ってどんなことを感じられましたか。

田原 やっぱり私自身、戦争というのは、教科書の中の出来事として感じていたところがあったのに、それが目の前で起こっている。実際に起こるものなんだっていうことをすごく感じました。多くのマスコミで私たちの抗議が注目され、取り上げていただけるのはうれしいことなんですけれども、こういう抗議行動をしなくてはいけない、そのこと自体がすごく残念なことです。

山添 田原さんは4月に大学に入ったそうですが、私は大学の入学の年に、ちょうどイラク戦争(2003年)が始まったんです。私も当時、同じような思いを抱いていました。歴史の教科書の中での話だと思っていた戦争が、現在のカラー映像の中で繰り広げられている。そのことへの憤りで、何とかしたい、何かしなければ、それが学生時代に平和の活動に取り組み始めたきっかけでした。

 その当時は現在と違い、アメリカが起こした戦争を日本も支持し、国連憲章違反かどうかをまともに論じようともしませんでした。また、先ほどロシアが核兵器を脅しに使っていることのひどさという話がありましたが、これも核兵器禁止条約がすでにできていることで、国際的な条約に違反していると批判することができる。そういう意味で、この間に、国際社会が大きく変わってきたことを感じますね。

―ロシアへの抗議の広がりの一方、戦争を止められないことに無力感を感じる人も多くいます。

山添 いつまでこの戦争が続くんだろうとか、デモや署名をやっても止められないのでは、そういった思いを持つ方はいるかもしれません。

 同時に、プーチン氏が一番、恐れているのは、やはり世論、特に国際世論ですよね。だからこそ、国内では、プーチン氏のいう“フェイクニュース”を流したら禁固刑、といった法律をつくる。ウクライナで起こっている国際法違反や戦争犯罪だと告発されることを、最も恐れているということです。

 国際社会が一致して声をあげるなかで、プーチン氏側がこうした主張をフェイクだと言わざるを得なくなっている、この状況をつくっているということが、大事だと思います。

田原 友人からも、ロシアに対して何をしたら良いのかわからないという声を聞きました。私たちには、署名を集めるとか、抗議行動をするとか、小さいことしかできない。だけれど、プーチン大統領が最も恐れているのは、若い人たちの世論だと思います。緊急署名を紹介したら、オンラインならできると協力してくれた友人も多くいます。抗議の声をあげる選択肢を示せたことは、本当に良かったと思います。

若い世代の未来奪うな

学んだことを力に楽しく(田原)

―気候危機や核兵器廃絶、格差社会是正など、若い世代の運動が世界でも日本でも広がりを見せています。

田原 気候変動のことだったり、核兵器のことだったり、もう大人に任せておけないという思いが強いのだと思います。核兵器でいえば、唯一の戦争被爆国の日本が、核兵器禁止条約に参加しないなんてありえない。もう今の政治家には任せてはおけない、私たちが声をあげないと、という思いを多くの人たちが持っているのだと思います。

山添 ドキっとします(笑)。大人の責任は重大ですよね。若い世代の声を受け止める政治にしないといけないと思います。授業やサークル活動などいろいろ大事なこともあるなかで、自分の時間を割いて、社会に声をあげている若い世代の声を生かすことなしに、「若者は政治参加が少ない」などと言う政治は不誠実です。

田原 私自身は、平ゼミで活動していく中で、さまざまな問題で、署名を集めたりして、自分自身が社会を変えていけるんだ、という主権者意識をもてたのが、すごく大きかったと思います。私たちは、微力だけれども、無力ではないという言葉を聞いて、本当にその通りだと思いました。

山添 政治を変える根底にあるのは、このままでよいのかという怒りだと思うんです。気候正義という言葉があるように、今の気候対策の選択が、この先、それを選べない若い世代の未来を奪っていく。それは正義に反するのではないかという訴えが広がっています。

 どんな問題でもやっぱり、正義に反する政治があってはならない。公正でない社会のあり方に憤りを抱いて、若い世代が声をあげているのは、当然だと思うし、同時に、その動きにすごく励まされます。

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