街角の小さな旅35 二人の作家の対照的な世界 山本有三記念館と文学散歩

 「路傍の石」や「真実一路」などの小説で日本文学に足跡を残した作家・劇作家の山本有三記念館は井の頭公園近くの玉川上水沿いにあります。

山本有三記念館
記念館の入り口

 山本有三は戦前、理想主義的な立場からの文学創作にはげみ、当時の文壇に主流であった私小説の世界とは一線を画した社会的題材と平明な文体の作風でひろく親しまれました。また、リベラルな社会立場をとり、当時非合法であった日本共産党を支援、官憲による弾圧を受け、「主婦之友」に連載した「路傍の石」では内務省の検閲で書き直しを要求されました。これに対して山本有三は「時代の認識に調子を合わせようとすれば、ゆがんだ形のものを書かねばなりません」と筆を折り、「ペンを折る」という手記を発表することで権力への痛烈な抗議と抵抗の姿勢を明らかにしました。

 いまや日本は、憲法を改正し、新しい文化国家として立ち上がろうとしている。これからの日本は天皇中心でなくて、議会が中心になるのであります。議会が中心になる以上、議会に席を占める者は、正しい人、学識経験のある人でなくてはなりません。

 これは戦後、参議院議員選挙に立候補した際、政見放送で述べたものです。

 しゃれた白い装飾塀に囲まれた記念館の建物は20世紀初頭に建てられたもので、御影石の暖炉の煙突が印象的な外観を持つ洋館。木のぬくもりが館内をつつんでいます。庭園が無料で開放されており、山本有三の作品や創作に使われた文具などを展示。企画展も開催されています。

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