希少な生物守ろう 都レッドデータが本に〈2023年8月27日号〉

 開発に伴う森林の伐採や水田・畑の減少、干潟の埋め立てで、野生生物が絶滅し、生き残った生物も絶滅危惧種として心配されています。野生生物の現状を知り、どうしたら守れるかを知るための資料として「東京都レッドデータブック2023」(写真)が今年3月完成し、活用が期待されています。研究者や自然観察者などの協力で都環境局環境部がまとめました。

 本書に掲載されている絶滅危惧種は、1846種。1988年1303種から543種も増えています。

 東京になじみのある動植物では、牧野富太郎博士が江戸川沿いの用水池で発見したムジナモは都内の自生地すべてで消滅し、栽培で生き残っているだけです。

 トウキョウと名のついたサンショウウオ、ダルマガエル、トラカミキリなども心配な生物です。かつては身近に見られたハマグリやミナミメダカ、ドジョウ、ヒバリなどが希少な生物にあげられています。

 本書は、それぞれの生物の生息場所を区部と、北多摩、南多摩、西多摩の4地域に分けて、現状の危惧の度合いを分析。それぞれの①種の特性や生息状況②生存を脅かす原因③特記事項-の3点について解説しています。掲載した1846種の写真はオールカラー。A4判で879ページの大型の本です。持ち歩くには不便とはいえ、野生生物を知るにはなくてはならない本です。価格が高いので各市区の図書館や学校図書館で読めることも求められます。(松橋隆司)

(東京都環境局環境部発行・5156円)

東京民報2023年8月27日号より

関連記事

最近の記事

  1.  都立高校の入試に活用してきた中学校英語スピーキングテスト(ESAT‐J)を中学1・2年生にも実施…
  2. 岩波ブックレット 2023年720 円+税かきざき・めいじ 帝京大学法学部教授。1961 年秋田県…
  3.  悲しい連鎖は終わり/暴力もレイプも終わり/わきまえることももうやめて/女たち誰のものでもない(「…
  4. 文藝春秋 2023 年1760 円(税込)ぬかが・みお 1990年生まれ、茨城県出身。2015年、…
  5. 署名を提出する会のメンバー=4月17日、大田区  「新空港線(蒲蒲線)計画の着工見合わせ署名…

インスタグラム開設しました!

 

東京民報のインスタグラムを開設しました。
ぜひ、フォローをお願いします!

@tokyominpo

Instagram

#東京民報 12月10日号4面は「東京で楽しむ星の話」。今年の #ふたご座流星群 は、8年に一度の好条件といいます。
#横田基地 に所属する特殊作戦機CV22オスプレイが11月29日午後、鹿児島県の屋久島沖で墜落しました。#オスプレイ が死亡を伴う事故を起こしたのは、日本国内では初めて。住民団体からは「私たちの頭上を飛ぶなど、とんでもない」との声が上がっています。
老舗パチンコメーカーの株式会社西陣が、従業員が救済を申し立てた東京都労働委員会(#都労委)の審問期日の12月20日に依願退職に応じない者を解雇するとの通知を送付しました。労働組合は「寒空の中、放り出すのか」として不当解雇撤回の救済を申し立てました。
「汚染が #横田基地 から流出したことは明らかだ」―都議会公営企業会計決算委で、#斉藤まりこ 都議(#日本共産党)は、都の研究所の過去の調査などをもとに、横田基地が #PFAS の主要な汚染源だと明らかにし、都に立ち入り調査を求めました。【12月3日号掲載】
東京都教育委員会が #立川高校 の夜間定時制の生徒募集を2025年度に停止する方針を打ち出したことを受けて、「#立川高校定時制の廃校に反対する会」「立川高等学校芙蓉会」(定時制同窓会)などは11月24日、JR立川駅前(立川市)で、方針撤回を求める宣伝を21人が参加して行いました。
「(知事選を前に)税金を原資に、町会・自治会を使って知事の宣伝をしているのは明らかだ」―13日の決算特別委員会で、#日本共産党 の #原田あきら 都議は、#小池百合子 知事の顔写真と名前、メッセージを掲載した都の防災啓発チラシについて追及しました。
ページ上部へ戻る