立川定時制 反対する会・同窓会らが存続求める署名宣伝〈2024年2月4日号〉
- 2024/2/3
- 教育
東京都教育委員会が昨年10月に都立立川高校(立川市)夜間定時制課程の生徒募集を2024年度で終了する予告を示したことを受け、「立川高校定時制の廃校に反対する会」「東京都立立川高等学校芙蓉会」(定時制同窓会)などは1月27日、JR立川駅前(立川市)で募集停止の予告撤回と存続を求める署名宣伝を行いました。
都教委は2016年に策定した「都立高校改革推進計画」に従い、夜間定時制の応募倍率の低下などを理由に、立川を含む4校に対し、定時制の廃止を決定。すでに2校が閉校になりましたが、在校生や卒業生、同窓会、地域の人々などが、定時制の存続を切望する署名を粘り強く集め続け、毎年1万人分以上を、都教委に提出しています。
立川高校定時制は、創立86年の伝統校。2023年4月の入学者は、前年より13人多い37人で、現在約150人の生徒が通学しています。
反対する会事務局の河合美喜夫氏は、「さまざまな理由で昼間働いている人、若い時に勉強する機会が失われ、学び直している高齢者、外国にルーツを持つ人など、たくさんの人々の学び場である」と主張。「定時制を必要とする生徒は大勢いる」と、繰り返し訴えました。
夜間定時制高校の時間講師は、「大変な生活をしている生徒がたくさんいる。援助しなければならない生徒たちを、高校から締め出すことになる」と発言。芙蓉会の中島康浩氏は、「(都教委は)勤労少年の減少、全日制との弊害など、ありもしない理由を並べ立て、廃校を強行してきた」と声を上げ、「能力・業績主義の民間手法を教育行政に持ち込んだ、お役人の合理化計画だ」と憤りました。
署名に協力した教育大学に通う20歳の女性は、「家庭の事情など、さまざまな理由で定時制に助けられている人は多い。利便性のよい立地だから、廃校になると本当に大変だと思う」と危惧。定時制高校を卒業した子どもがいる60歳の女性は、「先生たちにとてもよくしてもらい、立派な社会人になっている。定時制を排除しようとする雰囲気が心配」と語りました。
約80人分の署名が集まりました。
東京民報2024年2月4日号より