文化の力で連帯を広げ 韓国 戒厳令阻止した市民の力 桔川純子さんに聞く〈2025年3月9,16日号〉
- 2025/3/16
- 文化・芸術・暮らし
韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が昨年12月3日に発令した戒厳令は、多くの市民が国会前に集まり抗議の声をあげる中、数時間で解除されました。戒厳令解除と、その後の大統領弾劾の動きは、韓国の民主主義の力を示しています。韓国の市民運動と長い交流を持つ、明治大学兼任講師の桔川純子さんに、同国の市民運動について聞きました。

―ご自身も韓国の集会に参加したそうですね。
12月28日の大統領逮捕を求める集会に参加しました。若い人、特に女性の参加者が多く、市民運動の団体は裏方に回っていて、発言者も含めて市民が中心となっていて、デモの文化が変わったことを強く感じました。
集会では、参加にあたっての「約束」の文章が読み上げられます。「これは私たちみんなの広場です」という言葉から始まり、マイノリティへの差別を行わないことや、女性を性的な対象にしないことなどです。

医療ブースもあり、防寒グッズなども配布されます。何十万人の集会をどう安全に運営するか、高い力量を感じました。
―文化的な部分が重視されているそうですね。
集会自体が「ろうそく文化祭」と呼ばれます。有名な歌手や一般の市民による歌の時間など、本当に文化祭のようです。
2時間の集会なら、発言は1時間弱で、他は歌の合唱や文化的な企画だったりします。アイドルグループの少女時代の「また巡り逢えた世界」などの曲がプロテストソング(抵抗歌)として認知されていて、それぞれの「推し」のアイドルのペンライトを手で振りながら大合唱するんです。
会場や周辺のフードトラックやカフェでは、トップアイドルや文化人が料金を寄付したコーヒーやお菓子を、無料で受け取れます。「先払いの差し入れ」と呼ばれる活動です。
今回は、若い人たちの参加が増えたことで、防寒対策のためのおすすめの服装や持ち物をまとめたイラスト、「先払いの差し入れ」マップ、会場周辺のトイレマップなどがネット上で自主的に作られ、拡散されました。
文化の力が連帯を促しています。楽しいから行きたくなるし、知人も誘いたくなる。とても大切なことだと感じます。












