控訴審でも門前払い 羽田新ルート取消訴訟 納得できず、最高裁へ上告〈2025年10月19日号〉

 東京都心や川崎石油コンビナートの上空を低空で飛んでいる羽田新飛行ルートの取り消しを国に求めた住民訴訟の控訴審判決が7日、東京高裁であり、萩本修裁判長は住民控訴を一審同様棄却しました。判決に納得できないとして23人の原告全員が13日までに「最高裁に上告する」と表明しました。

 訴訟の焦点は、新ルートの運用が住民の権利義務を制限する行政訴訟特有の行政処分に当たるかどうか(処分性)や、訴訟を起こす資格があるかどうか(原告適格)の判断を巡って、争われてきました。裁判所は一審に続き、住民の訴えをしりぞけ、被害実態などの実質審議に入る前に、門前払いにしました。

控訴審の判決後、原告らが開いた報告集会=7日、千代田区

 川崎コンビナート上空の飛行についてみると、東京航空局長から東京国際空港長宛ての通知により、1970年以来半世紀にわたって続けてきた飛行制限を新ルートの運用にあたり廃止する飛行解禁通知を出したことなどが一審以来の争点になりました。

 飛行制限通知が出された背景には70年当時、日航機の羽田沖事故など重大な事故が相次いで発生したため飛行禁止を求める川崎市民の運動が反映しています。

 弁護団は、川崎市民が70年以来、「コンビナート上空を飛行する航空機の墜落等の事故により、事故の生命・身体・財産を侵害されないことを期待する法的地位(権利)が確立した」と指摘。その市民の権利が侵害されたとしてコンビナート上空の飛行解禁通知の取り消しを求めてきました。

 一審判決は、航空局長の通知は川崎市民の「権利利益を保護法益としたものとは言えない」として住民側の主張を否定しました。

 控訴審では、コンビナート上空に「三角形のエリア」があり、飛行を避けるエリアとして解禁通知が出たあとでも、パイロットや管制官を拘束し、長年にわたり飛行禁止をしていた実態があることが判明。住民側は処分性があると主張したのに対し、判決は、これらの通知が「行政機関の内部行為」であって、直接国民の権利義務を法律上認めているものではないとして処分性を否定しました。

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