カテゴリー:書評
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【読書 今月の本棚と話題】奥深い図書館の楽しみ方 『読書を最高のエンターテインメントに―本が大好きになる図書館の使い方』 つのだ由美こ 著〈2025年10月19日号〉
謎と知識が詰まっている!ラブストーリーの宝庫!本は私を助けてくれる! こんな言葉に惹ひかれて扉を開けると、私たちの身近ななんでもない図書館が、なんと奥深くバラ色であることか! そして図書館と映画という究極のマ… -
【読書 今月の本棚と話題】公儀を畏れない講釈師の生涯 『暦のしずく』 沢木耕太郎 著〈2025年10月19日号〉
本書は、ノンフィクションの名手の著者が書いた初の時代小説です。芸能史上で唯一獄門に処された江戸時代の実在の講釈師・馬場文耕の生涯を描いています。 文耕は江戸幕府の御家人でしたが、その後、講釈師・著述家となり、… -
【読書 今月の本棚と話題】新発見求め限りない可能性 『若い読者のための数学史』スネザナ・ローレンス 著 田邊誠 訳〈2025年10月19日号〉
カナダのメディア企業が今年、300兆桁の円周率を計算しギネス世界記録に登録され、インドの物理学者が量子モデルを研究する過程で新しい円周率の公式を発見したと伝えられた。本書は古代から現代まで数学がどう発展し社会の進歩に… -
【読書 今月の本棚と話題】 民主主義の隙間狙い勢力拡大 『ルペンと極右ポピュリズムの時代―ヤヌスの二つの顔』渡邊啓貴 著〈2025年9月21日号〉
欧州各国で極右の台頭が目立っている。日本でも先の参院選挙で同じような状況が生じた。政治風土の違いはあるが、排外主義、既成政党批判など共通項は多い。国際社会が戦争、紛争、対立の不条理な状況に置かれる中で、ソーシャルメデ… -
【読書 今月の本棚と話題】 戦後80年を考察する指針 『「科学の目」で日本の戦争を考える』不破哲三 著〈2025年9月21日号〉
今年は戦後80年です。テレビ・ラジオ、新聞・雑誌などでも日本の戦争について、多くの放送・記事が出されました。諸団体や政党の談話・主張も出されています。 「戦争は二度とやってはならない」「平和が大切」との声があ… -
【読書 今月の本棚と話題】 お米なくして日本の歴史なし 『知れば知るほどおもしろいお米のはなし』柏木智帆 著〈2025年9月21日号〉
長いことお米は安かった。だからお米について考えることはなかった。ある日、お米が消えた、びっくりし混乱した。これって罰当たりだと思った。大切な主食たるお米について何も考えなかった私たちへの。この本は「白飯」を愛してやま… -
【読書 今月の本棚と話題】 平和への思いと科学的展望 小沢隆一 著『日米核軍事同盟と憲法9条』〈2025年8月24日号〉
本書は著者がこの間に書いてきた日米安保条約と憲法との相克に関わる論稿を、ひとまとめにしたものです。 表題を単なる日米同盟とせず、日米核軍事同盟としたところに、著者の鋭い洞察力を感じました。日米安保条約の体制は… -
【読書 今月の本棚と話題】 バスの生涯に思いを巡らし ローレン・ロング 作 林木林 訳『きいろいバス』〈2025年8月24日号〉
ページを開くと見開きいっぱいに墨絵のような黒い大地が拡がっています。山があり、蛇行する川があり、曲がりくねった道が続く。そして教会と思しき三角錐、その周りには四角い家々。 さらに目をこらすと一点の黄色。次ペー… -
【読書 今月の本棚と話題】 隣国を知るための確かな目 平井潤一 著『習近平体制の中国―その課題と矛盾』〈2025年8月24日号〉
近年、中国脅威論が増幅している。尖閣諸島周辺での中国公船の領海侵入、東シナ海、南シナ海での海洋進出と台湾問題などが背景にあるとみられる。この傾向は日本人の対中意識にも反映されており、内閣府の昨年の世論調査によると、中… -
【読書 今月の本棚と話題】面白さと深遠さ満載 『落語家の本音 日本で唯一の演芸専門誌が50年かけて集めたここだけの話』 「東京かわら版」編集部 編著〈2025年7月20日号〉
「東京かわら版」は落語・講談・浪曲などの情報が詰まった、日本で唯一の月刊の演芸専門誌です。 その専門誌が創刊50年を迎え、これまでに掲載された昭和の大名人10人、五街道雲助、春風亭昇太など現役落語家14人、合…

