カテゴリー:書評
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【書評】格差の現状と解消策に迫る 『男性中心企業の終焉』 浜田敬子 著
日本のジェンダーギャップ指数(男女格差指数・世界経済フォーラム(World Economic Forum:22年7月発表)は146カ国中116位で、先進国中で最低です。ジェンダー格差後進国です。この本は、日本の男女格… -
【書評】死刑存置の社会に問う 『死刑について』 平野啓一郎 著
世界で死刑制度を存置しているのは55カ国です。いわゆる先進諸国(OECD38カ国)で存置しているのは日本、アメリカ、韓国の3カ国のみです。しかも、韓国では1997年以降26年間も執行されていません。また、アメリカでは… -
【書評】平和・安心の未来への架け橋 『平和万葉集 巻(まき)五』 『平和万葉集』刊行委員会
「戦争も平和も地つづき一つ星のホモサピエンス」―本書には、短歌という人の心に響くかたちでの平和への願い・思いがぎっしりと詰まっています。 『平和万葉集』の巻まき一が刊行されたのが戦後40年「国際平和年」の19… -
【書評】ロスジェネのサバイバル 『私がつかんだコモンと民主主義――日本人女性移民、ヨーロッパのNGOで働く』 岸本聡子 著
2022年6月、わずか187票差で杉並区長に当選した女性のニュースにびっくりしました。はたしてどんな人?まもなくそのご本人の著作が登場、早速読んでみました。本の扉には、「ロスジェネ世代として日本に生まれ、オランダ人と… -
【書評】止まり木のような言葉集 『愛のエネルギー家事 生活と気持ちが明るくなる、小さな提案集―すてきメモ303選』 加茂谷真紀 著
学校に行きたくないと言われたら「よくぞ言ってくれた」とほめましょう。そのあとで子どもの話に心から耳を傾け「そうかそうか、それはしんどかったね」とハグしてあげてください。(第2章 子どもの手当て) すみれ書房 2… -
【書評】世界構造の認識新たに 『ウクライナ戦争と分断される世界』 大西広 著
ウクライナ戦争が始まって7カ月を過ぎたが戦火は止みません。この間、対ロシアへの経済制裁に同調した国は36カ国と極めて少ないのに驚きます。戦争が始まったばかりの3月2日のロシアによるウクライナ侵攻非難決議への賛成が14… -
【書評】社会のあり方問う試金石 『学問と政治 学術会議任命拒否問題とは何か』 芦名定道、宇野重規、岡田正則、小沢隆一、加藤陽子、松宮孝明 著【書評】
2020年10月1日、菅義偉前首相は、日本学術会議から新会員として推薦を受けた105人のうち6人の任命を拒否しました。 本書が指摘しているとおり、背景には軍事研究に反対している学術会議を国家に従属する機構にす… -
【書評】国民総動員の危険な道 『帝国日本のプロパガンダ 「戦争熱」を煽った宣伝と報道』 貴志俊彦 著
帝国日本がアジアにおいて侵略戦争を遂行するためには、国民がそれを受け入れ、協力する状況をつくる事が不可欠でした。 帝国日本は、そのために戦争に反対する勢力を徹底的に弾圧する一方、あらゆる宣伝と報道によって国民の… -
【書評】「絵巻物」による記録 『関東大震災 描かれた朝鮮人虐殺を読み解く』 新井勝紘 著
1923年9月1日の関東大震災から来年は100年になります。どの震災も大きな犠牲者を出していますが、関東大震災では、多くの「人為的な犠牲者」が出たことを忘れてはなりません。 関東大震災の直後、東京、関東の周辺… -
【書評】モヤモヤ感の根源探って 『「日韓」のモヤモヤと大学生のわたし』 加藤圭木 監修/一橋大学社会学部加藤圭木ゼミナール 編
韓国のカルチャーが人気です。K‐POP、BTS、「愛の不時着」など。そんな韓流ファンの学生が英語の練習も兼ねて韓国の学生と交流すべく訪れます。少しばかりの「日韓関係」の知識を身に着けて、気分は格安海外旅行という感じで…