ロシアのプーチン大統領が3月25日、隣国で同盟関係にあるベラルーシに、戦術核兵器を配備すると表明しました▼核兵器を搭載できる爆撃機の提供や、発射のためのミサイル「イスカンデル」の引渡しをすでに進めていることにも言及しました。ウクライナへの侵略開始以来、プーチン氏は核兵器の使用の可能性をちらつかせて、国際社会に脅しをかけ続けてきました。今回の配備は、そうした可能性をさらに広げるものです▼核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)は、「核兵器の使用の可能性を高めるもの」と非難。「状況をより悪化させ、壊滅的な人道的結果をもたらす危険性がある」と警鐘を鳴らしています▼ロシアの配備表明はアメリカが北大西洋条約機構(NATO)のヨーロッパ各国に核兵器配備を進めてきたことを理由としています。米国の行動自体が核不拡散条約に違反したもので、これを配備の理由とすることは許されません。同時に、軍事対軍事で対抗し合うことが、いかに国際社会に危険をもたらすかも、くっきりと示しています▼核兵器なき世界を開くのは、あらゆる国による核兵器の使用も保有も禁止する、核兵器禁止条約の道でこそ。広島サミットで議長国を務める日本が取るべき立場も、そこにあります。
東京民報2023年4月2日号より