建設業離れが進む若い人たちに、ものづくりの魅力を知ってもらいたいと、建設業従事者らでつくる労働組合、東京土建は8月27日、「けんせつのしごとフェスタ2023」を、けんせつプラザ(新宿区)で開き、高校生や東京建築カレッジへの入学を控える若者を含め、約50人が参加しました。

渡辺義久実行委員長(東京土建副委員長)があいさつし、「建設は真の暮らしを支えるのに欠かせない仕事です。仕事、夢、ロマンを語ってもらい、若い人たちの新規入職のきっかけにしてもらいたい」と語りました。
人気ユーチューバーの大工のエリザベスさんが、大工になったきっかけや独立後、SNSを活用して顧客の新規開拓や仲間とのネットワークを全国に広げ、仕事に生かしていることを紹介。「今後、株式にしてSNSで仲間を集めて、いろいろな職種が集まった会社にしたい」と将来の夢を披露しました。
「私のけんせつ人生」と題して、職種が違う5人が、仕事に使う道具を持って登場。職人が大事に使う特殊な道具や潜水具など、仕事の現場で使われる多彩な道具と話に、参加者は熱い視線を向けて聞き入りました。
建築カレッジの講師も務める建築大工の片岡茂樹さんは、ノミとゲンノウを持って登場しました。
片岡さんは人との出会いや自らの努力によって、挫折を乗り越えて全国青年技能競技大会(全建総連主催)で金賞をとるまでに成長した自らの人生を振り返りました。大工仕事について「努力すれば先の先までよめるようになる。技術がうまくなった時の喜びはひとしおだ」と語りました。その上で「希望通りになるとは限らない。自分がどうなりたいのかを考え、そのための行動をしてもらいたい」と若い人たちにアドバイスしました。
特殊なカンナを持参した宮大工の坂口誠さんは、「宮大工は楽でかっこいいものではない。途中であきらめる人も半数いる」と厳しい現実を述べる一方、「大工として若い人たちを鍛えていきたい。夢に向かって頑張ってほしい」とエールを送りました。
中小建設業の経営者も登壇。会社の概要や社員みんなが主役になれる経営方針や社風などについて語りました。
東京民報2023年9月3日号より