西陣争議 年末に勝利和解で解決「たたかいで歩み進めた」〈2023年12月31日・2024年1月7日合併号〉
- 2024/1/1
- 労働・市民
老舗パチンコ販売会社の株式会社西陣(本社・千代田区=後に親会社である株式会社ソフィアが吸収合併)の労働争議が12月20日、東京都労働委員会(都労委)のあっ旋により和解しました。

この争議は2023年3月1日に西陣が従業員への事前通告・協議もなく一方的に廃業をホームページに公表し、従業員に依願退職を要求したことに端を発したもの。その後、西陣は全労連・全国一般労働組合西陣労組との団体交渉中にもかかわらず、それまでの交渉内容をほごにした上に「交渉の終了」を一方的に通告し争いに発展していました。
組合は3月23日に都労委に「不当労働行為救済」を申し立て。4月から6回の調査が行われ、組合と会社の弁護士らとの2回の交渉の他、組合の当事者を交えて交渉が重ねられてきました。その中で都労委は「実効確保の措置の勧告(審査中、審査の実効を失わせないよう求める勧告)」として口頭で「紛争を拡大しないよう」にとの要望を発していました。
しかし、西陣は都労委での調査中にもかかわらず、退職に応じない組合員に12月20日付(都労委審問期日予定日)の解雇予告通知を送付して争う姿勢を見せていました。
都労委が和解を促す中で関係者の尽力によって、おおむね労働者側の勝利といえる内容で和解に至る結果となりました。この争議の当初、小杉勝委員長(当時)が解決に向け東奔西走する中で急逝しましたが、組合員は団結して解決に向けて歩みを進めてきました。
和解に際して小杉氏の遺族は「生前、会社の話をする人ではなかったのに、『会社の廃業は許せない。断固たたかう』と言った翌日に倒れました。3月1日からの激務が負担だったのだと思います。22日の月命日に勝利の報告ができます。みなさんのご支援に感謝申し上げます」と語りました。
香川知久委員長は「多くのみなさんの支えがあったからこそ和解ができました。職場の組合員だけではここまで運動が展開できなかった。組合は負けなかった。争議が年内に終われてよかった」と述べ支援に感謝を延べました。
多くの支援に感謝
全国一般東京地方本部の山田博樹・中央執行委員長
西陣の争議は親会社や銀行が黒字会社を潰して資産を独占する新しい攻撃の形です。
争議支援行動などにも参加し、群馬県の親会社や銀行に要請や宣伝を繰り返し、訴えを広げてきたことが和解に至る大きな力になったと確信しています。 多くのご支援をいただいたことに心より感謝申し上げます。
東京民報2023年12月31日・2024年1月7日合併号より