〈一分 2024年1月28日号〉元首相が権勢をふるう政治の舞台として知られた「目白御殿」が8日、火事で焼失しました…

 「目白の御殿は、午前6時の開門である。陳情の一行は、門を入って左の、L字形の建物に向かう。ここが事務所になっていて、秘書がテキパキと受け付ける」▼佐木隆三氏のルポ『越山 田中角栄』が描く、文京区目白の田中角栄邸の様子です。元首相が権勢をふるう政治の舞台として知られた「目白御殿」が8日、火事で焼失しました▼田中氏が「目白の闇将軍」と称され、時の首相人事をも決める権力を持った理由は、自民党の最大派閥の田中派を率いたためです。とはいえ、田中氏自身は七日会や木曜クラブと呼ばれた同派閥の会長に就いたことは一度もありませんでした。発足時は、最高顧問の肩書きで、その後はロッキード事件で自民党自体を離党しています▼自民党の各派閥による裏金問題に批判が高まる中で、岸田首相が宏池会=岸田派の解散を表明しました。岸田氏自身は、12月に派閥離脱を表明したばかりです。派閥に属していないはずの実質的なオーナーが、派閥の方針や改廃まで決定する―自民党政治の実態は、田中派時代から変わりません▼派閥の解散表明自体、裏金問題の解明から目をそらすごまかしでしょう。裏金は、どうやってなんのために生み出されたのか、その解明なしには問題の解決もありません。

 東京民報2024年1月28日号より

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