高輪築堤を一部史跡指定 文化審議会が答申

 日本で初めて開業した鉄道の遺構「高輪築堤」(港区)について文化審議会は23日、「明治文化の象徴であり、交通の近代化や土木技術の歴史を知る上で重要」な存在だとして、現地保存される計120㍍を国の史跡にするよう萩生田光一文部科学相に答申しました。

 すでに史跡指定されている日本初の駅舎跡「旧新橋停車場跡」に追加指定されるかたちとなり、「旧新橋停車場跡及び高輪築堤跡」に名称が変更されます。

 指定される部分は、新橋駅から数えて7番目の橋「第7橋梁(きょうりょう)」と、その南北に接続する築堤80㍍、その北側に位置する築堤40㍍。近く、答申通りに指定される見込みです。

 高輪築堤はJR東日本が事業費約5500億円規模で進める「品川開発プロジェクト」計画エリア内で、約1.3㌔にわたり極めて良好な状態で2019年に発見されました。しかし、JR東日本は今年4月21日、第7橋梁を含む約80㍍と約40㍍の2カ所を現地保存、遅れて出土した信号機土台部分を含む約30㍍を移築保存し、それ以外は記録保存後に解体する方針を発表しました。

 日本考古学協会など多数の学協会が当初から全面保存を求め続け、今年5月24日にユネスコ(国際連合教育科学文化機関)の諮問機関である日本イコモスも、高輪築堤の現地保存と開発計画見直しの要望書を提出しています。

 8月16日には日本歴史学協会と日本考古学協会が、文科省や国交省、文化庁、JR東日本などに、高輪築堤の文化財としての本質的価値の高さが十分に理解されていないとして、改めて全面保存を求める共同要望を提出。一部保存の再検討を求め、遺憾の意を表明したばかりでした。

 現在すでに解体が進んでおり、今後の学協会の動きにも注目です。

〈2021年8月29日号より〉

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