【書評】「絵巻物」による記録 『関東大震災 描かれた朝鮮人虐殺を読み解く』 新井勝紘  著

 1923年9月1日の関東大震災から来年は100年になります。どの震災も大きな犠牲者を出していますが、関東大震災では、多くの「人為的な犠牲者」が出たことを忘れてはなりません。

 関東大震災の直後、東京、関東の周辺で軍隊・警察・自警団によって6000人以上といわれる朝鮮人が虐殺されています。まったく根拠のない流言飛語により、朝鮮人というだけで私刑によって虐殺されたのです。この時、日本人で被災者救援活動を行っていた労働組合や社会運動家も警察・軍隊により連行、虐殺されています。

新日本出版社 2022年 1870円(税込) あらい・かつひろ 1944年生まれ。町田市史編纂室、町田市立自由民権資料館主査、国立歴史民俗博物館助教授、専修大学教授、認定NPO法人・高麗博物館館長を歴任

 「日本語の発音が変だというだけで残虐に殺害される」―軍隊や警察の指揮下でこんな虐殺があちこちで発生しました。重大なことはこの悲劇が今日に至るまできちんと調査もされていないことです。犠牲者の数も「およそ」の域を出ず、まして、誰が加害者なのかも調査されていません。

 事件から100年近くを経て、記憶もあいまいとなっています。権力による犯罪でありながらうやむやのうちに葬る意図が見え隠れしています。

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