ウクライナ戦争が始まって7カ月を過ぎたが戦火は止みません。この間、対ロシアへの経済制裁に同調した国は36カ国と極めて少ないのに驚きます。戦争が始まったばかりの3月2日のロシアによるウクライナ侵攻非難決議への賛成が141カ国、反対が5カ国、棄権は中国やインドなど35カ国であったことを考えれば、格段の差です。
そして、経済制裁はいわゆる「西側」諸国に限られています。人口は11億人にすぎずインド1国にも及びません。これは「西側」諸国が「縮んでいる」ことの現れだと著者は指摘します。もちろん経済制裁に同調しないことがロシア支持でないことは明らかです。
経済制裁に参加しない国々はどのような考えなのか? 著者は、この多くはアフリカ等の「南」側諸国でありウクライナ危機はかつての東西対立だけでなく、世界の底流にある南北の食い違いをも浮かび上がらせていると指摘しています。