【躍進への挑戦衆院比例東京共産党予定候補】比例東京・4区 谷川智行さん 命守る政治へ、今度こそ 医療と相談の現場知るから〈2023年8月27日号〉

 医師で、日本共産党中央政策委員、同党都委員会コロナ対策本部長の谷川智行さんは、衆院選で、前回(2021年)に続き、比例東京ブロックと東京4区(大田区の一部)の重複立候補を予定し、勝利へ全力をあげています。「今度こそ国政の場に押し上げていただき、日本の政治を根本から変えたい」-そこには、医療と生活困窮者支援の現場に立ち続けてきたからこその思いがあります。

蒲田駅前の街頭宣伝で「日本共産党の躍進で政治を大本から変えよう」と訴える谷川さん=大田区

 8月中旬、夕刻で帰宅を急ぐ人たちが行きかう蒲田駅前に、谷川さんの声が響きました。

 「物価高騰のなか、国民の痛みに心を寄せない政治を変えましょう。こんな時に増税などとんでもありません。何より、給料を上げる国にすることこそ必要です」

 物価高騰の訴えに力がこもるのは、支援活動の現場での実感があるからです。

 谷川さんは、大田区内をはじめ都内の病院で25年間、診察にあたるとともに、その合間を縫って、生活困窮者の支援の現場に15年間、足を運び続けてきました。医療相談活動の回数は700回を超えます。

 その谷川さんにとっても、新型コロナ発生以降の生活困窮の実態は「衝撃的だった」といいます。毎週土曜の新宿の都庁前での食料配布には、600人、700人にも及ぶ人たちが、現在も並び続けています。

 コロナ禍前は、支援を受ける中心は、家を失ってホームレス状態にある人たちでしたが、現在はむしろ、家を持つ人たちや定職を持つ人たちの割合が高くなっています。

 「医療相談では『保険証は持っている』という人が多くいます。病院の窓口で払う3割負担が払えないから、病院に行けないのです。適切な医療にかかったり、栄養のある普通の食事をとることすら、『ぜいたく品』になってしまっている」

 病院での訪問診療でも、生活の悪化を感じています。

 酷暑のなか、熱中症対策にエアコンを必ずつけるよう繰り返し伝えても、ためらう人が多くいるからです。

 「この夏の気温のなかでは、エアコンは必須です。それでも、エアコンで電気代がかかると、どこかで生活費を削ってつじつまを合わせないといけない。苦しい気持ちは、よくわかります。給料を上げるなど、まともな生活をできる国に、切り替えなくては、命も健康も守ることはできません」

自民党の現職は保険証廃止先頭に

 立候補を予定する4区が大半を占める大田区では、「市民と野党の共闘で、都議補選に続き総選挙も勝利を」との機運が高まっています。

 前回2021年の衆院選では、谷川さんが共闘の候補となりました。さらに、今年4月の大田区長選、6月の都議補選(被改選数2)でも市民と野党の共闘が実現。区長選は1万票余りの差で惜敗しましたが、都議補選では共闘の候補が自民党や維新、都民ファーストの候補を上回ってトップで当選しました。

 市民連合おおたの会事務局長の野本春吉さん(78)=大田革新懇事務局長=は、「都議補選で勝利したことで、雰囲気がガラッと変わり、次は総選挙を市民と野党の共闘で勝利しようとなっています。谷川さんは誠実な人柄が信頼されていて、区長選、都議補選の総括会議でも、『次の総選挙はどうする。谷川さんでいくなら、急いで準備したほうが良い』と意見が出されました」と話します。

 大田区内でも、重要な争点に浮上しているのが、マイナ保険証導入に伴う保険証の廃止です。自民党現職の平将明氏は、IT政策の担当副大臣や、自民党のデジタル社会推進本部の本部長代理を務めるなど、「デジタル化」を政策の柱に据えており、マイナンバーカード押しつけと、保険証廃止でも、先頭に立って推進してきました。

 谷川さんは、「障害がある人や、認知症、高齢の人などマイナカードの手続きがうまくできない人は、保険証廃止で、無保険扱いになる可能性もあります。国民皆保険制度の根幹を崩し、最も医療が必要な人たちを医療から遠ざけるなど許すわけにいかない」と批判します。

コロナ禍で見えた科学軽んじる政治

 谷川さんは大田区内や東京各地をめぐって、総選挙は日本共産党の躍進で、日本の政治を大本から変えるチャンスと訴えています。

 コロナ禍の中では、深刻な崩壊に直面した医療の現場に立ち続けてきました。

 「日本の医療がいかに弱められ、生命を守る機能が失われてきたかを痛切に感じました。そして、日本において、科学にもとづく政策、政治がいかに軽んじられ、ないがしろにされているかをはっきりと示したのも、コロナ禍でした」

 この間、日本共産党都委員会のコロナ対策本部長を務め、さらに2022年春からは、同党中央委員会の政策委員にも就いて、医療の現場の実態をコロナ対策などの政策に盛り込むよう、取り組んできました。「この1年半、医療の現場に関わる時間を増やせたことで、最前線で何が必要とされているのか、深くつかむことができました。それを、政策づくりの場に生かして、反映させることもできた」

 「総選挙で、今度こそ国政に」の訴えに、力がこもります。

 「保険証廃止について、サントリーの社長(経済同友会代表幹事)は『納期を守るのが重要』と発言しました。財界からのこういう圧力があるから、国民の反対の声があっても、政府は保険証廃止を延期したり、中止することができない。軍備を拡大して、日本をミサイル列島のように変えようとしているのも、アメリカの要求があるからです」と語る谷川さん。「共産党を伸ばして、財界とアメリカの言いなりの政治を変えることで、どれだけ社会を良くして、新しい日本をつくることができるか、希望をこそ語っていきたい。あわせて、人権後進国の日本で良いのか、人が大切にされる日本の実現も訴えていきます」

東京民報2023年8月27日号より

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