マイナ保険証確認 義務化は違法 保険医協会 国との訴訟攻防続く〈2024年6月2日号〉

訴訟について語る喜田村洋一弁護士=5月22日、港区

 厚生労働省令により、マイナンバーカードで健康保険資格を確認するオンラインシステムの導入を昨年4月から義務化したことは違法だとして、東京保険医協会を中心とする全国の医師・歯科医師1415人(第三次提訴まで合わせた総数)が原告となり、国を相手に起こした「オンライン資格確認義務不存在確認等請求訴訟」の第6回口頭弁論が5月22日、東京地裁(岡田幸人裁判長)で開かれました。

 原告は、オンライン資格確認に必要な体制の導入により、経済的負担や電子データ漏えいのリスクを背負わされ、多くの保険医療機関が廃業の検討を余儀なくされている実態を問題視。患者が十分な医療サービスを受けられなくなるとして、①オンライン資格確認によって療養の給付を受ける資格を確認する義務がない②オンライン資格確認によって療養の給付を受ける資格があることの確認ができるようあらかじめ必要な体制を整備する必要がないーという2点の確認を国に求めています。

 閉廷後に行われた記者会見と原告への説明会で、原告訴訟代理人の小野高広弁護士が裁判内容を説明。原告は重要な争点として、「医療行為以外の事項について、健康保険法第70条1項(保険医療機関または保険薬局の責務)により、(厚生労働省に)包括的に委任されているとは解釈できない。仮に委任があるとしても、オンライン資格確認の義務化は委任の範囲を逸脱している」「オンライン資格確認の義務化が、原告の憲法上の権利を侵害している」と主張しています。

 これに対し、国は「保険医療機関等が療養の給付を担当するに当たり、遵守することが必要な基本的事項全般の定めについて、厚生労働省に委任していると解される」「保険医療機関等の廃止数が増加している事実は認められない」などと、反論しています。

 千葉県保険医協会の岡野久会長は、「インターネットにつながず、電子カルテを守ってきた」と語り、不正アクセスやウイルス感染などによる損害を受け、患者の医療情報が漏えいしても、国は一切責任を取らない矛盾を指摘。大阪府保険医協会の高本英司副理事長は、「IT化そのものが悪いわけではない。政府がIT化を通じて何をしようとしているのか、保険医として危惧するところ」と述べました。

東京民報2024年6月2日号より

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