搾取を業界に波及させるな 飛鳥交通 タクシー乗務員が裁判 運賃収入からピンハネ〈2026年3月1日号〉
- 2026/2/27
- 労働・市民
主に首都圏でタクシーを運行する飛鳥交通株式会社(本社=新宿区)のグループ企業で乗客から徴収する運賃の値上げに合わせて、タクシー乗務員が受領した料金から一定料率を会社が収入としているとして、乗務員らが訴えた裁判が進行しています。飛鳥交通社長の川野繁氏は一般社団法人東京タクシーハイヤー協会の副会長であり、裁判は業界で働く者の処遇に大きな影響を与えるとして全国的な注目を集めています。
原告の乗務員らは裁判の意義を「これは業界全体でも、これまでにない制度で搾取に他ならない。他社、全国に波及させてはならない」と語ります。

コロナ禍の終焉に近い2022年11月、東京23区と武蔵野市、三鷹市のタクシー料金の初乗り運賃が燃料高騰と常務員の賃金向上を含む待遇改善を目的に15年ぶりに国土交通省の認可を経て改定されました。これにより初乗り運賃が420円から500円に増額、距離加算も増額されました。
当然、乗務員の賃金も増額されるはずでしたが飛鳥交通グループ傘下の会社では乗務員の賃金算定式を一方的に変更。2023年からは運賃収入に約0・95をかけた金額から計算した賃金を乗務員に支払うとされました。そもそも乗務員の賃金は収入に分配率をかけて計算されていますが、分配前に約0・95かけた金額から計算して会社の取り分とするのは実質的な「賃下げ」になります。
労働組合は納得できず団体交渉を申し入れましたが、会社は「会社親睦会と合意した」として交渉を進めようとせずに、搾取ともいえる賃下げを3月から強行。
このため乗務員によっては年間50万円もの減収が発生するとして、組合に結集する乗務員を中心に同年11月、会社に搾取された賃金の支払いを求めて東京地裁に提訴しました。
交渉を要求しても
裁判で会社側は「コロナ禍も終わり乗客数が増えているから、収入が上がっている」と主張しますが、「本来の運賃収入から約0・05をピンはねしているのが会社だ」と原告らは主張します。


















