京王グループ 西東京バスで裁判 同一労働なら同じ賃金に 〈2022年10月9日号より〉

 「営業所内によっては社員食堂もなければ、近隣に飲食店もない。出先で食事を摂らねばならない休憩中にコンビニエンスストアでおにぎりなどを現金で買ったら懲戒処分。食事をとることもできないのは人権侵害だ」―西東京バスで運転士として安全運行に努める安田崇弘さんは語ります。「同じバスで同じ区間を運行している正社員の運転士間で、賃金に年間100万円以上の格差があるのも不条理だ」とも訴えます。安田さんは2017年7月、処分の撤回と給与格差をなくすために東京地裁立川支部に提訴しました。

八王子駅前を走る西東京バスの車両。旧多摩バスの塗装色のまま社名だけ書き換えられて運行中のものも残っている

「百万超の格差は不条理」

 安田さんが勤務する西東京バスは、八王子市や青梅市などの東京西部を中心に路線バスを運行する京王電鉄の連結子会社です。安田さんは2002年、西東京バスが100%出資した多摩バスの「月収25万円以上、安定した京王グループで働いてみませんか」との募集にかれて入社。ちょうど2人目の子どもが生まれた頃のことでした。

 しかし、入社してみると「安定」どころか基本給の概念のない年俸制で、長時間の計画残業がなくては生活が成り立たなかったと振り返ります。長時間労働のために体調を崩しても、運転士たちは査定に響くと、体調不良を隠すことが横行していました。

 安田さんらは、西東京バスが多摩バスを分社化して設立したのは運転士の処遇を切り下げるためだったと気づきます。職場環境が変わらずにいたために、労働組合運動に積極的に取り組み、組合の書記長に当選し活動を本格的にします。

 2006年頃、組合執行部の一部が突如路線変更し要求活動に背を向け始め、独断で残業時間を月100時間まで可能とする「三六協定」を締結。2007年の組合選挙では、安田さんをはじめ9人の役員全員に労働者の権利を守る仲間が当選するも、臨時組合大会を開かれ提案者の名もわからぬ解任議案が出され安田さんは解任されてしまいました。

 2011年、組合は西東京バスより待遇の低い労働条件を温存したままでの多摩バスの吸収合併を容認します。当時の水野勝彦・西東京バス労組委員長が「一社二制度」と語っていたことに強い違和感をおぼえたといいます。安田さんは職場新聞を発行し問題を知らせると、会社は処罰しました。労働基準監督署にも申告したといいます。

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