カテゴリー:書評
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【書評】ラクになる心の休ませかた 『もっと、自分をいたわっていい』 香山リカ 著
新型コロナの感染の長期化と拡大の影響で、うつ病・うつ状態の人が急増しています。パンデミック以前の2倍以上に増加しているといいます。 パンデミックにより、生活がガラリと変わった人は多くいます。雇用契約の解消等で… -
【書評】上野動物園の3・11 『どうぶつえんにいらっしゃい』 本木洋子 文/しろぺこり 絵
2011年3月11日、巨大地震がありました。その後の津波、さらには福島原発事故と惨劇の3月、人間はそれはそれは大変でしたが、動物園の動物たちはどうだったのでしょうか。この絵本は上野動物園の「その日」を描いています。 … -
【書評】歴史が語る差別撤廃の軌跡 『ジェンダー視点で学ぶ女性史』 澤田季江 著
人類社会が一人ひとりを大切にし、真に自由な社会となるためには、ジェンダー平等が不可欠です。そのことを実社会で勝ち取るためには、これまでの差別撤廃の歴史を学び、さらなる闘いが必要です。 本書は、男女の差別のない… -
【書評】胸に響く異色対談 山中伸弥・藤井聡太共著『挑戦 常識のブレーキをはずせ』
本書はノーベル賞受賞科学者・山中伸弥さんと史上最年少で五冠を達成した棋士・藤井聡太さんの異色対談である。藤井さんは今や、日本中の話題をさらっている時の人。山中さんは4年前に、永世七冠の羽生善治さんと対談しており、いわ… -
【書評】憲法と人権守る珠玉の記録 『自由法曹団物語―人間の尊厳をかけてたたかう30話』 自由法曹団 編
自由法曹団とは、大正時代に労働争議の弾圧に対する調査団が契機となって結成された弁護士の団体です。 2021年に100周年を迎え、記念として発行されたのが本書です。2002年に刊行した『自由法曹団物語―世紀をこ… -
【書評】人類の本質は親切で寛大か 『Humankind 希望の歴史(上・下)』 ルトガー・ブレグマン 著
安倍・菅政権の7年8カ月は「知性と倫理性を著しく欠いた首相が長期に政権にあったせいで、国力が著しく衰微した時代」だと内田樹氏は言っています。日本の政治・経済の現状を思うたび深刻な危機感を感じ暗たんとした気持ちに落ち込… -
【書評】人がファッションに込める意味 『服のはなし 着たり、縫ったり、考えたり』 行司千絵 著
編み物や縫物が好きな祖母と母に育てられた女の子は、服の好きなおしゃれに敏感な少女になった。 「まわりの人と同じ格好をしない」と教わったはずなのに「いつしか世間のファッションの枠に自分を押し込めて」いた。 … -
【書評】暴力根絶など発展願う直言 『「切り札」山下泰裕は日本柔道界を変革できるか』 木村秀和 著〈1月23日号より〉
30年余、柔道記者として第一線で活動してきた著者の日本柔道界の変革を願っての直言集です。 「遠ざけられている山口香」など著名な柔道家の話も豊富で飽きさせない文章はさすがです。 日本の柔道人口は年々減少… -
【書評】27人が見た戦時のリアル 『少女たちの戦争』中央公論新社 編〈1月23日号より〉
この本は「昭和16年12月8日の太平洋戦争開戦時に満20歳未満だった女性によるエッセイを収録したもの」(編集部)。27人のうち最年長は瀬戸内寂聴19歳、最年少は佐野洋子3歳。 1931年9月満州事変、37年7… -
【書評】輝き続ける美しい言葉 『サンタクロースっているんでしょうか? 子どもの質問にこたえて』 中村妙子 訳 東逸子 画 〈12月19日号より〉
クリスマスの季節になりました。この行事はなんと私たちの生活に定着してしまったことでしょう。今回は、とっても古いけれどダイヤモンドのように輝き続ける小さな本を紹介します。 1897年のある日、ニューヨーク・サン…