カテゴリー:書評
-
【書評】止まり木のような言葉集 『愛のエネルギー家事 生活と気持ちが明るくなる、小さな提案集―すてきメモ303選』 加茂谷真紀 著
学校に行きたくないと言われたら「よくぞ言ってくれた」とほめましょう。そのあとで子どもの話に心から耳を傾け「そうかそうか、それはしんどかったね」とハグしてあげてください。(第2章 子どもの手当て) すみれ書房 2… -
【書評】世界構造の認識新たに 『ウクライナ戦争と分断される世界』 大西広 著
ウクライナ戦争が始まって7カ月を過ぎたが戦火は止みません。この間、対ロシアへの経済制裁に同調した国は36カ国と極めて少ないのに驚きます。戦争が始まったばかりの3月2日のロシアによるウクライナ侵攻非難決議への賛成が14… -
【書評】社会のあり方問う試金石 『学問と政治 学術会議任命拒否問題とは何か』 芦名定道、宇野重規、岡田正則、小沢隆一、加藤陽子、松宮孝明 著【書評】
2020年10月1日、菅義偉前首相は、日本学術会議から新会員として推薦を受けた105人のうち6人の任命を拒否しました。 本書が指摘しているとおり、背景には軍事研究に反対している学術会議を国家に従属する機構にす… -
【書評】国民総動員の危険な道 『帝国日本のプロパガンダ 「戦争熱」を煽った宣伝と報道』 貴志俊彦 著
帝国日本がアジアにおいて侵略戦争を遂行するためには、国民がそれを受け入れ、協力する状況をつくる事が不可欠でした。 帝国日本は、そのために戦争に反対する勢力を徹底的に弾圧する一方、あらゆる宣伝と報道によって国民の… -
【書評】「絵巻物」による記録 『関東大震災 描かれた朝鮮人虐殺を読み解く』 新井勝紘 著
1923年9月1日の関東大震災から来年は100年になります。どの震災も大きな犠牲者を出していますが、関東大震災では、多くの「人為的な犠牲者」が出たことを忘れてはなりません。 関東大震災の直後、東京、関東の周辺… -
【書評】モヤモヤ感の根源探って 『「日韓」のモヤモヤと大学生のわたし』 加藤圭木 監修/一橋大学社会学部加藤圭木ゼミナール 編
韓国のカルチャーが人気です。K‐POP、BTS、「愛の不時着」など。そんな韓流ファンの学生が英語の練習も兼ねて韓国の学生と交流すべく訪れます。少しばかりの「日韓関係」の知識を身に着けて、気分は格安海外旅行という感じで… -
【書評】読んで笑って図書館知る 『100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集』 福井県立図書館 編
図書館のカウンターには、日々いろいろな質問が寄せられます。最も多いのが「〇〇の本ありますか」でしょうか。 さて、こんな問い合わせを受けた時、図書館員(司書)はどのように正しいタイトルに行きついたでしょうか。 … -
【書評】隊列で歩んだ人生を詠う 『日本共産党創立一〇〇周年記念合同歌集 列の光』 日本共産党歌人後援会 合同歌集刊行委員会 編
この歌集は日本共産党歌人後援会が日本共産党100周年を記念して作成した合同歌集です。 日本共産党は今年2022年7月15日に創立百年を迎えましたが、変わることなく、この名前で歴史を刻んできました。その歩みは、… -
【書評】民営化阻止、市民運動で 『水道、再び公営化! 欧州・水の闘いから日本が学ぶこと』 岸本聡子 著
筆者は、6月に杉並区長選挙で当選した新杉並区長です。この本は筆者がヨーロッパで研究してきた水道事業の「民営化と再公営化」を詳しくレポートしているだけでなく、民営化阻止・地方自治発展のための情報と示唆に富んでいます。 … -
被ばくの実態解明した力作 小山美砂著『「黒い雨」訴訟』〈2022年11月6日号〉
集英社 960円+税 米軍による原爆の投下直後に降った黒い雨。放射性物質を含んだ黒く汚れた雨のため多くの人が、深刻な健康被害を抱えることになった。にもかかわらず、「被爆者」と認めて救済する制度がなく、長い間放置…