PFAS汚染 米国の基準超え過半数に 血液検査の最終結果発表 横田基地 東側に高濃度集中〈2023年6月18日号〉

 発がん性や免疫の抑制など健康への影響が指摘される有機フッ素化合物(PFAS=ピーファス)が多摩地域の水道水源などから広範に見つかっている問題で、住民による自主的な血液検査に取り組んだ市民団体が8日、650人分の分析の最終結果を発表しました。国分寺、立川など、米軍横田基地の東側にあたる地域の住民の血液から非常に高濃度のPFASが検出されたほか、多摩地域全域にわたり、高い濃度が検出され、深刻な汚染の実態が明らかになりました。専門家は、「行政などによる長期の監視と対策が必要」と警鐘を鳴らします。

 血液検査は、市民団体「多摩地域の有機フッ素化合物汚染を明らかにする会」と、京都大学の原田浩二准教授が協力して実施したもの。昨年11月から今年3月まで、世田谷区1人を含む27区市町村の650人から採血して、PFASのうち代表的な4種類の濃度を分析しました。

 発表によると、参加したほぼすべての人からPFASが検出されました。4種の合計で、最高値は124.5ナノグラム/ミリリットル(以下、ナノグラム)、全員の平均血中濃度は23.4ナノグラムでした。

 米国の学術機関アカデミーズは、今回の4種を含む7種のPFASの合計で、血中濃度が20ナノグラムを超えると健康リスクが生じるとの指標値を示しています。多摩地域全体の参加者の平均値で、この指標値を上回る実態が明らかになりました。

 米国の指標値を、個人で超えていた人は、20自治体の335人と参加者の過半数に及びます。

 原田准教授は、特に健康への影響の調査が進んでいるPFOS(ピーフォス)とPFOA(ピーフォア)の2種に注目しており、この2種で20ナノグラムを超えた参加者も、132人いました。

 参加者には、水道水の使用の有無や、浄水器の使用の有無を答えてもらっており、その回答によって血中濃度に差があることから、水道水が主な摂取ルートとなった可能性が高いと結論づけています。

追加の血液検査 井戸など水質も

 ドイツでは、PFOSは20ナノグラム、PFOAは10ナノグラムと、それぞれに健康への影響が考えられる勧告値を定めています。

 今回、多くの住民から高濃度で見つかったPFOSについて、このドイツの勧告値を超えていた人は、国分寺市で57人中27人、立川市で38人中9人などで、参加者全体で見ても、1割にあたる55人に及びました。

 参加者が10人以上いた自治体について、平均のPFOSの血中濃度を地図にすると、横田基地の東側に高濃度が集中していることが分かります(図)。

 

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